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北海道の鉄道の内容を中心に自身の知識も含めながらブログの記事を日々更新しています。札幌市在住のため、主に札幌圏を走行する列車についての話題です。

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冬の函館本線山線

冬の函館本線山線。撮影は昨年の11月中旬。山線はすっかり雪景色でした。











H100形に置き換えられて初めて撮影メインで行きました。1年前にも行きましたが、ニセコエクスプレスがメインで行ったところ、残念ながら車庫内で保管されていて見れなかったんですけどね。

運よく羊蹄山も見えて、とりあえず行ってよかったです。

次回は春先に行ってみたいと思います。雪融けで平地は木々が緑色に染まりつつありますが、羊蹄山ではまだまだ雪が残っており、1年で一番羊蹄山と鉄道の写真を楽しめる時期だと思います。

そんな函館本線山線も、先日記事で掲載したとおり、存廃問題に揺れています。北海道新幹線が札幌まで延伸すると小樽~長万部間は並行在来線となって沿線自治体が中心となる第三セクターに経営分離される計画ですが、現時点で赤字は必須であり、厳しい経営状況が続く見込みです。そのため、在来線として存続せずに廃止する案も浮上しています。

前回まではバス転換を容認したのが長万部町、倶知安町、共和町、仁木町の4町でしたが、新たに存廃問題を保留としていたニセコ町と黒松内町がバス転換を支持しました。これで方針未定としているのは、小樽市と蘭越町だけになりました。30年鉄道を維持し続けた場合、道の試算で864億円超えの赤字が生じるということで、バス転換はやむを得ないと判断したようです。ニセコ町議会では異論も出なかったということです。

この函館本線というのは、確かに赤字路線なのです。にも関わらず、JR北海道の対応も例外であり、単独で維持することが可能な路線としています。

理由としては、将来的に札幌まで新幹線が到達した場合、並行在来線として確実に手放すことができる区間であり、将来的に沿線自治体が維持・負担してくれることを見越して残しているようなものです。そのため、本来であれば単独で維持することが困難な路線・線区に指定されるはずですが、JR北海道が単独で維持可能な路線の扱いになっています。

加えて、冬季はキハ40形のパワー不足の問題も長年にわたって生じていたことから、赤字路線でもH100形が投入されているわけです。


過去にコメントをいただいていますが、残すべきという意見も当然あります。理由は、2000年に噴火した有珠山が今後も定期的に噴火するため、迂回ルートとして残しておく必要があるというものです。有珠山が噴火してしまえば、室蘭本線は使えなくなり、前回噴火した際は函館本線山線を使って札幌と道南方面を結んでいました。貨物列車も山線を経由していました。

今後は有珠山噴火を見越して建設されている北海道新幹線が札幌まで結ばれるので、人の移動については問題ありませんが、問題は物資輸送はどうするか?ということです。残すべき意見でココが重点に置かれています。

しかし、貨物列車が設定されていたとはいえ、当時山線で輸送された物資は全体の1割から2割程度で、それ以外はそのほとんどが船を使って輸送されていたようです。時間は生じるようになりますが、その1割あって2割程度のために、果たして山線を残しておく必要があるのでしょうか?

また、JR貨物からも、現在貨物列車の牽引機として使用しているDF200形ディーゼル機関車は、函館本線山線に入線することができないと発表しており、仮に残したとしても牽引機がなければ意味ありません。例えば、JR北海道からDE15形ディーゼル機関車を借りるという形で運行することもできますが、貨車を繋げられる両数も最大で10両までということで、物資輸送に大きく貢献するとは言い難く、物資輸送のために残す案は現時点では難しいと結論せざるを得ません。

山線を残すにしても、莫大な赤字を抱えることは必須であり、それが沿線自治体の体力で維持できるレベルではありません。沿線自治体のうち、9市町のうち6町が既にバス転換を支持しており、こちらも時間の問題だと思います。

ただ、先日バス転換の方向で動き出した根室本線の富良野~新得間とは異なり、仮に廃止が決まったとしてもすぐに廃止になることはないでしょう。JR北海道も単独で維持可能な路線に指定しており、沿線自治体が不要と判断し、新幹線延伸開業までにバス転換を推進するような動きがなければ、おそらく札幌延伸までは残すと思います。

本を読みながら、車窓も楽しみながら移動できるので、山線は面白いです。将来的な存続が危ぶまれていますが、春夏秋冬で景色を楽しめるので、皆さんも機会があればぜひ利用してみてくださいね。











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コメント
11076:山線を優等列車で。 by 天寧 on 2022/02/02 at 15:14:02 (コメント編集)

こんにちは。
高校時代から国鉄民営化直後まで「第1期函館時代」を過ごした私は小樽に祖母がいたこともあって「北海」「ニセコ」をよく利用して行き来していました。1985年3月改正までは「北海」にも食堂車が連結されていて、倶知安を過ぎた頃に入ったことがあります。私の貸し切りで「イカのホッポ―焼き」などを食べながら稲穂峠を越えました。あんな経験、もういくら大枚はたいてもできないでしょうね。時間があるときは旧客の普通列車を利用したこともあります。
2000年の有珠山噴火時には「北斗」の迂回運転がなされましたが、なんか人の不幸を娯楽のネタにするのが申し訳なくて一度も乗りに行かなかったです。
今は一部キハ201形のほか、ほとんどがJR東日本のGV-E400形のジェネリック、H100形での運転ですか。私はまだ乗る機会がありませんが、このあと山線が消えてしまったら函館~長万部間に第三セクター移行の上で使用するのか、それとも道北・道東で活躍するのか。この先、目が離せませんね。

11077:承認待ちコメント by on 2022/02/02 at 22:26:08

このコメントは管理者の承認待ちです

11082: by 管理人 on 2022/02/05 at 00:22:34

>>「天寧」さん、コメントありがとうございます。

遂に長万部~余市間で廃止が決定し、バス転換されます。存続に前向きなのは余市町であり、小樽市は住民説明会前として態度を保留。ですが、バス転換に前向きであり、余市町の立場が今後苦しくなるかもしれませんね。

残念ながら、山線に優等列車が走っていた頃は、まだ管理者はこの世にいません。現在は小樽から長万部の直通列車というのが減りました。一部列車は倶知安駅で乗継が確保されていますが、原則として倶知安駅で分離しています。

現在は普通列車で3時間の旅になります。H100形の固めのシートやキハ201系のロングシートだと辛いものがあります。行ったことがない駅もあるので、時間の許す限り、訪問してみたいです。

11083: by 管理人 on 2022/02/05 at 00:33:08

>>コメントNo,11077の方へ

別にそれは鉄道でなくてもいいと思います。ツアーバス的なものでも代替可能だと思います。

ハンドルネームがないので、コメントは非公開とさせていただきます。

11294:並行在来線の経営分離と新幹線の営業キロ by 龍 on 2022/03/25 at 07:29:59 (コメント編集)

新幹線は原則として「在来線の増線」という扱いで建設されるため、営業キロは並行する在来線と同一の距離となります。並行する在来線の駅が併設されていない新幹線単独駅の場合、運賃計算上は近接する在来線の駅と同一地点とみなします。ただし、並行在来線が経営分離(廃止または第三セクターへ転換)されるとその区間は「JRの同一会社が運行する在来線が新幹線と並行していない」ことになり、実キロ(新幹線の路線での実際の距離)がそのまま営業キロになります。東海道新幹線・山陽新幹線は並行する在来線(東海道本線・山陽本線・鹿児島本線)と運行会社が同一ではない区間がありますが、開通した当初は新幹線・在来線ともに全区間が日本国有鉄道(国鉄)という同一会社だったため、国鉄の分割民営化後も営業キロは基本的に在来線に準拠したものが適用されています。

北海道新幹線(新函館北斗〜札幌間)の場合、並行在来線として函館〜長万部〜小樽間が経営分離されてJR北海道の路線ではなくなりますが、小樽〜札幌間はJR北海道の路線として存続します。このため、新小樽駅(仮称)と小樽駅を同一地点とみなした上で、営業キロの設定はこうなります。

(1)北海道新幹線の新函館北斗〜新小樽(仮称)間は函館本線の新函館北斗〜小樽間の営業キロ(234.6km)ではなく、新幹線の実キロ(179.5km)を営業キロとして適用する。
(2)北海道新幹線の新小樽(仮称)〜札幌間は新幹線の実キロ(32.0km)ではなく、函館本線の小樽〜札幌間の営業キロ(33.8km)を営業キロとして適用する。
(3)よって、北海道新幹線の新函館北斗〜札幌間の営業キロは、(1)+(2)=213.3kmとする。

もし並行在来線の経営分離を行わない場合、北海道新幹線の新函館北斗〜札幌間の営業キロは新幹線の実キロ(211.5km)ではなく、函館本線の営業キロ(268.4km)がそのまま適用されます。室蘭本線・千歳線を経由した場合の営業キロ(300.8km)よりは短いですが、それでも新幹線の営業キロにわざわざ遠回りの在来線の営業キロを適用することになり、運賃・特急料金もそれを基に設定しなければならないわけです。

11307: by 管理人 on 2022/03/27 at 23:34:35

>>「龍」さん、コメントありがとうございます。

詳しくありがとうございます。営業キロって意外と奥が深いんですね。

ということは、新幹線を多く利用する人間にとって、今回の在来線を廃止にした方が営業キロが少なくなるので、開業後の運賃もおそらく有利になるはずですよね?営業キロで90km弱異なるわけですから、たとえ新幹線で割高になってしまっても、これは凄い大きいと思います。

おそらく札幌乗り入れ時は毎時1本ペースで「はやぶさ」で、全車指定席になる未来が見えますから、管理者のように移動費安く抑えたい人間にとっては、逆に在来線廃止は効果的なんですね。

嬉しい限りです。

11318: by 龍 on 2022/03/29 at 19:21:43 (コメント編集)

少しばかり思い違いをしていましたので、訂正させていただきます。新幹線の営業キロに実キロではなく在来線の営業キロを適用するのは、両端の駅が在来線と新幹線で接している場合に限定されます。

例えば、九州新幹線(博多駅〜鹿児島中央駅間)の場合、新幹線と並行する鹿児島本線のうち八代駅〜川内駅間が肥薩おれんじ鉄道線としてJR九州から経営分離されました。しかし、博多駅〜八代駅間と川内駅〜鹿児島中央駅間は鹿児島本線として残ったため、博多駅〜新八代駅間と川内駅〜鹿児島中央駅間は九州新幹線と鹿児島本線が並行する区間となります。

このため、博多駅〜新八代駅間(新幹線の実キロが130.0km・在来線の営業キロが151.3km)と川内駅〜鹿児島中央駅間(新幹線の実キロが35.3km・在来線の営業キロが46.1km)は在来線の営業キロ、新八代駅〜川内駅間(新幹線の実キロが91.5km・在来線の営業キロが119.7km)は新幹線の実キロが九州新幹線の営業キロとして適用されます。鹿児島本線と接していない途中駅の新鳥栖駅・新大牟田駅・新玉名駅は、運賃計算上は鳥栖駅・大牟田駅・玉名駅と同一地点とみなして営業キロを算出します。

これで、九州新幹線(博多駅〜鹿児島中央駅間)は実キロが256.8kmに対して営業キロが288.9kmとなりました。ちなみに、在来線の特急「つばめ」(博多駅〜西鹿児島駅〈※現在の鹿児島中央駅〉間)の営業キロは317.1kmでした。鹿児島本線は特急以外にも福岡・熊本・鹿児島近郊の利用者が見込まれ、経営分離される区間が熊本県・鹿児島県の県境を跨ぐ部分だけだったため、このような形になりました。

一方、北海道新幹線(新函館北斗駅〜札幌駅間)の場合は、新幹線と並行する函館本線のうち函館駅〜小樽駅間が経営分離(うち長万部駅〜小樽駅間は鉄道自体が廃止)され、JR北海道の路線として残るのは小樽駅〜札幌駅間のみです。

この場合、新幹線で札幌駅から新函館北斗駅方面に進むと長万部駅まで新幹線と在来線が接することはなく、新函館北斗駅から札幌駅方面に進んだ場合もやはり長万部駅まで新幹線と在来線が接することはありません。さらに、長万部駅で新幹線と接する在来線は室蘭本線であり、千歳線も含めて「北海道新幹線と並行する在来線」とはみなされません。

よって、新函館北斗駅〜札幌駅間は全区間で「新幹線に並行する同一会社の在来線が存在しない路線」ということになり、全区間の営業キロは函館本線の営業キロ(268.4km)ではなく新幹線の実キロ(211.5km)が営業キロとしてそのまま適用されることになります。札幌駅の位置が当初の予定より東側になったため、実キロが若干伸びる可能性はありますが、それも誤差の範囲です。

そして、現行の特急「北斗」では新函館北斗駅〜札幌駅間(函館本線・室蘭本線・千歳線経由)の営業キロは300.8km。在来線特急から新幹線に格上げされることで確かに割高になりますが、営業キロが89.3km短縮されることで実質帳消しにできるでしょう。

特急「北斗」が距離的に遠回りな海線経由だったことに加えて、新幹線が山線に沿ったルートになったこと、並行在来線の経営分離によって新幹線の実キロをそのまま営業キロとして設定することができたという要素が重なって、このような結果になりました。

11327: by 管理人 on 2022/04/01 at 01:38:54

>>「龍」さん、再度コメントありがとうございます。

新幹線の営業キロの仕組みがよくわかりました。途中で引っかかるところもあり、何度も読み返しましたよ。

誤っているというわけではなく、管理者の頭が回らなかっただけで、ようやく解決できました。

こういうのがわかると、北陸新幹線や開業間近の西九州新幹線でも計算上合っているか試したくなります。これは今後記事作成を検討したいです。それぐらい興味を持ちました。

少しそれらで実キロと営業キロを調べて合っているか調べて、記事を作成できるようなレベルになるまで知識を深めたいと思います。ありがとうございます。

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