fc2ブログ

プロフィール

管理人

Author:管理人
北海道の鉄道の内容を中心に自身の知識も含めながらブログの記事を日々更新しています。札幌市在住のため、主に札幌圏を走行する列車についての話題です。

<公式Facebook>


<公式Twitter>


<公式Instagram>

Amazon.co.jp(鉄道雑誌その他)

RSS

「JR北海道グループ中期経営計画2023」からみる今後の車両の老朽取替・新製計画

本日2度目の更新です。

今回はJR北海道の今後の車両の老朽取替・新製計画について見ていきたいと思います。

まずは以前発表された「JR北海道グループ中期経営計画2023」の資料から。



ホームページから見れますよ。車両の老朽取替・新製計画については・・・


・2022年度までにキハ183系、キハ281系、キハ283系の老朽取替

・2022年度までにキハ261系を新製

・2022年度から721系の老朽取替

・2021年度までキハ40形気動車の老朽取替(緑線区)

・2021年度からキハ40形気動車の老朽取替(黄色線区)




多目的車両の製造は終了しているので、現在進行形で動いているのは上記の5項目です。1つ1つ見ていきましょう。




【①2022年度までにキハ183系、キハ281系、キハ283系の老朽取替】

これは管理者も記事掲載時に触れてきたことですが、キハ261系を除いて、既存の特急気動車は2022年度まで、つまり来年度までに老朽取替を実施する計画があります。

現時点で判明していることは、キハ283系が今年3月のダイヤ改正で特急「おおぞら」から撤退し、定期営業列車を失います。一方、一部の車両は苗穂運転所(札ナホ)に出入りしている情報もあり、今後の動向が気になる車両でもあります。


キハ281系については、JR北海道から2022年度中に特急「北斗」をキハ261系に統一すると既に発表されています。言い換えれば、2022年度中にキハ281系が特急「北斗」から撤退することを意味します。

キハ261系1000番台は来年度で増備は終了します。残るは8両で増結用中間車の製造は既に終了し、あとは先頭車を含むユニットが4本製造されます。キハ281系の運用は現在2運用なので、最終増備車は函館に配置され、キハ281系を置き換えるものと推測します。理由は3月ダイヤ改正で特急「おおぞら」に追加投入する22両については、既に釧路運輸車両所(釧クシ)に揃っており、現時点で置き換えが明確なキハ281系の置き換えのために使用され、且つその担当する車両基地に配置するというのが自然な流れだからです。


キハ183系の今後については不明な点が多いです。来年度中の老朽取替とはなっているものの、その気配が未だ感じられません。理由は、昨今網走方面の特急列車にラベンダー編成が使用されていますが、その道内各方面で使用されるはずの車両にさえ、車内のインフォメーションボードの表示、LEDヘッドマークの用意、行先表示の用意がされておらず、ステッカー対応になっています。

事前に投入を予定しているのであれば、既にそのデータが入っていても不思議ではなく、現にそうしておいた方が昨今のように充当する度にステッカーを貼る作業を実施しなければなりません。現状の札幌所属のキハ261系でも網走方面まで充当すれば予備の車両数が足りなくなります。よって、現時点では動向がわからないままです。

しかし、本州方面の方からコメントをいただき、昨今キハ183系ではヘッドマークを1980年代のものに復刻して営業運転を実施しています。今後さらに先頭車1両、グリーン車1両に対してオレンジのラインに白を基調とした1980年代の塗装に復刻します。JR西日本の381系「やくも」のように、こうした復刻イベントというのは、将来的な引退を示唆するものとして認識されており、現に「やくも」では新型車両の登場も決まりました。こうした理由から、引退する可能性は高いものの、現時点ではキハ183系については判断材料が乏しいと言わざるを得ません。



【②2022年度までにキハ261系を新製】

上記でチラッと記載しましたが、キハ261系1000番台の増備は来年度で終了予定です。残りは8両で先頭車を含むユニットが4本製造されます。2022年度までに特急「北斗」のオールキハ261系化が予定されているので、おそらく函館配置になると予想しています。



【③2022年度から721系の老朽取替】

先日公式発表がありました。後日改めてお伝えしますが、資料の快速エアポート用だけでなく、135両全てが置き換えられる計画です。後継車両についてはまだ発表されていませんが、おそらく733系か、733系をより進化させ、731系などと同じくロングシートで既存の車両と朝・夕以降を中心に併結できる車両が投入されるでしょう。転換クロスシートの車両がなくなってしまうのは残念です。



【④2021年度までキハ40形気動車の老朽取替(H100形気動車新製)(緑線区)】

資料に緑枠や黄色枠で区分けされていますが、これは路線や線区の収支状況などによって色使いを分けています。緑枠は主に単独で維持可能な線区等が当てはまります。

一応H100形の製造が今年度で終わるような記載になっていますが、来年度以降も引き続き増備されます。量産車は127両の製造計画があるようで、そのうち、2021年度までに73両、2022年度から2024年度にかけて24両の新製計画があります。

これまで投入してきたエリアというのは、主にJR北海道が単独で維持可能な線区等です。なので、例えば苫小牧に配置されている車両でも、室蘭本線の苫小牧~長万部間は投入されるのに対し、苫小牧~岩見沢間は対象外であったり、日高本線も対象外であったりするのです。石勝線も単独で維持可能な線区等に含まれていますが、運用が苫小牧~岩見沢間の列車と一部含まれる関係で対象外としているのでしょう。

H100形による置き換え対象がキハ40形だけなのか、それ以外の既存のローカル気動車も含まれるのか不明ですが、今のところ、不採算路線以外の路線や線区で投入が進められています。来年度以降もこれが継続されるでしょう。



【⑤2021年度からキハ40形気動車の老朽取替(黄色線区)】

黄色枠で囲ってもう1つキハ40形気動車の老朽取替が今年度から開始されます。黄色枠の代表例となるのが石北本線など、単独で維持することが困難な路線・線区等です。国鉄時代であれば、特定地方交通線に指定され、原則廃止対象とされた線区です。

こちらにはH100形の新製は明記されていません。原則として函館本線山線のように、キハ150形などの既存の気動車が単独で維持することが可能な線区等でH100形への置き換えが実施され、そこで他エリアへ転配し、キハ40形気動車を置き換えるというのが主な方針だと思います。

なぜそうするかというと、キハ261系にしても、H100形にしても、この車両の新製費用というのは国からの支援で実施されています。しかし、先日のように不採算路線廃止の際のように、その支援というのは、不採算路線に対しては実施されず、使い道というのが車両の更新費であったり、単独で維持可能な線区等の設備の修繕費用などに充てられます。

なので、国から支援対象となる単独で維持可能な線区等に新車を優先的に投入していき、不採算路線については既存の車両でキハ40形を置き換えるという方針だと思います。

ただ、石北本線のように現在では一部列車が、3月ダイヤ改正から旭川~上川間で運行する普通列車のうち、その大半の列車をH100形で置き換える例外もあるのです。石北本線については、不採算路線でありながら、特急が運行されている路線ですから、これは将来的に投入されるであろうキハ261系もこの例外に含まれてくるでしょう。不採算路線のキハ40形の処遇についても、まだまだ未知な点が多いです。



ということで、管理者なりの見解を含めて1つ1つ紹介してきました。来年度になれば、この中からまだ判断材料の乏しい項目の中から、明らかになるものも出てくるでしょう。

特に今年度と来年度は特急車両の体制が大きく変わるであろう年です。どのように変化していくのか楽しみですね。











↓ブログランキングにご協力お願いします↓


にほんブログ村

鉄道コム
関連記事
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
11134:安全報告書2021では変更に by 苗穂住民 on 2022/02/21 at 00:40:54

 こんばんは。

 安全報告書2021にある「「JR北海道グループ中期経営計画2023」設備投資・修繕計画(安全)」を見ると、2カ所変更がありました。

 「2021~2023年度、黄線区、キハ40形気動車の老朽取替」は「(H100形電気式気動車新製)」が追加となっていて、キハ40を置き換えるための在来車両が無いので新製車両の投入(旭川~上川間)になったと思います。今後も黄線区にはH100形が投入されることになるのでしょう。

 また、「2022~2023年度の721系電車(快速エアポート用)の老朽取替」が無く
なっていたので、置き換えは2024年度からでしょうか。8次車は中間車のみで、6・7次車と組んでいますので経年は6・7次車に合わせることになり、各編成とも36年前後で置き換えになると思います。最新の技術を盛り込んだ新系列車両になるのではないでしょうか。これにはワンマンの2両電車も含まれるかもしれませんね。

 特急車両関係は変更はありませんでした。「261系は、2022年度まで黒・緑・紫線区に新製投入」、「2022年度までに183・281・283系は老朽取替」なので、石北線特急に2022年度までに投入できる車両は281・283系と読めます。

 261系で281・283系の老朽取替をする
 281・283系で183系の老朽取替をする

ということになるのではないでしょうか。石北線アクションプランでは特急車両費として20両60億円が示されています。281・283系で5年程度走って、その後261系を20両程度投入して石北線特急を261系化するという流れになってくるのではないでしょうか。黄線区なので、使える車両があれば古い順に使っていくと思います。

11142: by 管理人 on 2022/02/26 at 00:15:21

>>「苗穂住民」さん、コメントありがとうございます。

資料見ました。黄色線区にも投入と記載されていて驚きました。

おそらく、国からの支援が増えたことによる追加だと思います。もしかしたらキハ40形気動車のほかにも、キハ54形やキハ150形も置き換え計画に含まれているのかもしれません。

先日、時期は未定ながら将来的に721系の全てを置き換えることが発表されました。新形式になるのか733系になるのか知りませんが、おそらくロングシートになるはずで、転換クロスシートがなくなるのは残念です。


本当に振り子式車両が石北本線に転用されるのかどうかも気になります。

振り子を止めるにしても、いかんせん前例が381系ぐらいしかないので、わからないというのが正直なところです。ただ新製費用は261系の3億、そして4両編成を5編成程度を見積もっているということはわかります。

キハ281系も110km/h対応にすれば、キハ283系と共用で使用することもできるだろうし、寿命が来ていなければ融通は利きそうですよね。実現したら驚きしかありません。

11156: by 南の虎 on 2022/03/01 at 08:33:38

北見市の示すアクションプランにおける20両60億円というのは、あくまでも「置き換えるとしたら」というレベルの話であり、そもそもJRにその考えがあるのか、公式に見解が出たことは一度もありません。

以下は私の見通しにすぎませんが、
・JRは、ひとまず、283系の余剰車を183系の置き換えに回し、北海道新幹線札幌開業(2030年度末)まで使う(最新の第5次増備車の車齢は20年にすぎない。これが20両ある)
・今から5年程度で、石北本線の存廃を決断する
・もし存続する場合は、追加の261系を発注する
・北海道新幹線札幌開業で余剰となる「北斗」用261系も出てくるので、石北・宗谷線いずれかに転用
・もし石北線廃止ならば新車発注はせず、「北斗」余剰車を宗谷線に転用

北海道新幹線開業まで9年という期間が非常に微妙だなと思います。
いずれにせよ、JR北海道としては、石北本線の存廃を決断する時期にきたと私は考えています。率直に言って高規格道路も延伸され、女満別空港もあるなかで、石北本線の幹線としての使命は、その輸送量からして既に終焉を迎えたといってよいと思います。このような路線に金をつぎ込むくらいなら、新千歳空港輸送の強化に充当するほうが合理的です。

11157: by 南の虎 on 2022/03/01 at 08:55:03

>管理人様

281・283系転用ですが、これらの車両は地上子によって得られる位置情報をもとに車体傾斜制御をするものなので、そのためのデータがインプットされていないといけません。老朽車両にそこまでやるとは思えないので、その場合、純粋な自然振子式として運用することになりますが、その場合、乗り心地は概してよくないです。振子を切って運用することになるのだろうと予想しています。ただし、283系については、自動操舵台車による曲線通過速度向上効果はあり得ると思いますし、純粋にエンジンパワーはあるので、加減速や勾配における速度向上効果も期待できると思います。
281系は安定していますがいかんせん車齢が高いことからすると、281系はさすがに転用せず、比較的新しい3次量産車以降の283系を中心とした転用になるのではないかと推測しています)。
183系は、パワーダウンした重要機器取替車が石北本線の勾配に耐えられないおそれがあるため、もう厳しいと思います(なんでこんな中途半端な改造をしてしまったのだろう・・・部品を揃えると言っても・・・)。

11163: by 管理人 on 2022/03/03 at 00:04:45

>>「南の虎」さん、コメントありがとうございます。

石北本線沿線は将来的に現在よりも過疎化が進むことは明確で、時間が経過すれば、石北本線のように長距離且つ特急が走っている不採算路線の処遇について話が進むと思います。

いずれにしても、こうした不採算路線は国からの支援の対象外で、JR北海道が費用を捻出していますから、その金が尽きれば、いずれにしても廃止せざるを得ないのです。廃止が無理なら、沿線自治体と連携して上下分離方式で鉄道を維持していくしかないのです。

キハ283系の処遇も不明で、あくまで今回は特急おおぞらから撤退なんです。形式上の撤退ではないんですね。一部が苗穂に出入りしている話も聞きますから、それがホントに気になります。

石北本線で重要な拠点といえば遠軽と北見です。遠軽については旭川紋別道が開通しているので問題ないとしても、北見は空港は女満別で離れているし、高規格道路も全線開通しているわけではありません。鉄道路線で言えば、石勝線や根室本線、かつての銀河線を経由するルートですが、これを早々と全通にこぎつければ、石北本線の役目は失ったとみていいと思います。

まずは、長い本線をどうやって畳むかを考えなければなりません。役目を終える方向で調整するにしても相当時間がかかりそうです。

11164: by 管理人 on 2022/03/03 at 00:12:14

>>「南の虎」さん、再度コメントありがとうございます。

昨日も特急「おおぞら7号」で不具合が発生したとのことで、やはり車両トラブルが多い車両で、この先転用したとしても利点があるかどうかという話になってきます。現在よりもトラブルを起こしやすい環境になり得るので、転用するのであればこのあたりが心配です。

制御つき自然振り子式はATS地上子からデータを得て速度などに合わせて傾斜角度を決めるはずです。たとえ地上子があるとしても、最高速度95km/hのロースピードで車体を傾斜させる必要はありません。

札幌~旭川間は線形もよく、「スーパー宗谷」が運行開始した際も車体傾斜装置で十分ということがわかっているので、転用するにしてもランニングコストがかかる振り子式の採用や継続使用は難しいでしょう。

キハ183系については、初期車の車齢に到達しつつあります。初期車の末期は機関の出力の問題のみならず、車体の腐食も激しかったです。いずれにしてももうボロボロで置き換え時期に差しかかっています。まもなく置き換えられると思います。

11261:資材調達情報に by 苗穂住民 on 2022/03/17 at 23:20:18

 こんばんは。

 JR北海道の資材調達情報「日EU・EPA及び日英・EPA向け調達情報」のページに6両固定編成42両が載っていました。内容を読むと納品は2024~2025年度からになりそうです。これは、エアポート車両の更新が2023年度までの計画から外れたのと一致します。また、オンライン説明会では、新系列車両を思わせるやりとりがあります。721系電車の導入時期は1988~1994年(8次車を除く)ですので、2024~2030年度に置き換えることによって「カーボンニュートラル2050」の2030年度までの具体的な取り組みにも一致すると思います。

11271: by 管理人 on 2022/03/22 at 00:40:36

>>「苗穂住民」さん、コメントありがとうございます。

資料見ました。ありがとうございます。

42両ということは7編成投入ということになりますね。721系は全て置き換える計画ですから、エアポート用は3両編成のuシート車を除いて-4本になります。

エアポート運用には支障ありませんが、普通列車運用で多少変化がありそうですよね。

資料を読んだら、おそらく2025年度あたりから投入されると思われ、先に6両編成を更新し、その後3両編成を更新する流れだと思います。エアポート編成の方が先に置き換わるんですね。

今回のドカ雪の対応をみても、新千歳空港へのアクセスを優先としているので、それを考えたら当たり前ですよね。

▼このエントリーにコメントを残す