「JR北海道グループ中期経営計画2023」からみる今後の車両の老朽取替・新製計画
その他あれこれ - 2022年02月20日 (日)
本日2度目の更新です。
今回はJR北海道の今後の車両の老朽取替・新製計画について見ていきたいと思います。
まずは以前発表された「JR北海道グループ中期経営計画2023」の資料から。

ホームページから見れますよ。車両の老朽取替・新製計画については・・・
・2022年度までにキハ183系、キハ281系、キハ283系の老朽取替
・2022年度までにキハ261系を新製
・2022年度から721系の老朽取替
・2021年度までキハ40形気動車の老朽取替(緑線区)
・2021年度からキハ40形気動車の老朽取替(黄色線区)
多目的車両の製造は終了しているので、現在進行形で動いているのは上記の5項目です。1つ1つ見ていきましょう。
【①2022年度までにキハ183系、キハ281系、キハ283系の老朽取替】
これは管理者も記事掲載時に触れてきたことですが、キハ261系を除いて、既存の特急気動車は2022年度まで、つまり来年度までに老朽取替を実施する計画があります。
現時点で判明していることは、キハ283系が今年3月のダイヤ改正で特急「おおぞら」から撤退し、定期営業列車を失います。一方、一部の車両は苗穂運転所(札ナホ)に出入りしている情報もあり、今後の動向が気になる車両でもあります。
キハ281系については、JR北海道から2022年度中に特急「北斗」をキハ261系に統一すると既に発表されています。言い換えれば、2022年度中にキハ281系が特急「北斗」から撤退することを意味します。
キハ261系1000番台は来年度で増備は終了します。残るは8両で増結用中間車の製造は既に終了し、あとは先頭車を含むユニットが4本製造されます。キハ281系の運用は現在2運用なので、最終増備車は函館に配置され、キハ281系を置き換えるものと推測します。理由は3月ダイヤ改正で特急「おおぞら」に追加投入する22両については、既に釧路運輸車両所(釧クシ)に揃っており、現時点で置き換えが明確なキハ281系の置き換えのために使用され、且つその担当する車両基地に配置するというのが自然な流れだからです。
キハ183系の今後については不明な点が多いです。来年度中の老朽取替とはなっているものの、その気配が未だ感じられません。理由は、昨今網走方面の特急列車にラベンダー編成が使用されていますが、その道内各方面で使用されるはずの車両にさえ、車内のインフォメーションボードの表示、LEDヘッドマークの用意、行先表示の用意がされておらず、ステッカー対応になっています。
事前に投入を予定しているのであれば、既にそのデータが入っていても不思議ではなく、現にそうしておいた方が昨今のように充当する度にステッカーを貼る作業を実施しなければなりません。現状の札幌所属のキハ261系でも網走方面まで充当すれば予備の車両数が足りなくなります。よって、現時点では動向がわからないままです。
しかし、本州方面の方からコメントをいただき、昨今キハ183系ではヘッドマークを1980年代のものに復刻して営業運転を実施しています。今後さらに先頭車1両、グリーン車1両に対してオレンジのラインに白を基調とした1980年代の塗装に復刻します。JR西日本の381系「やくも」のように、こうした復刻イベントというのは、将来的な引退を示唆するものとして認識されており、現に「やくも」では新型車両の登場も決まりました。こうした理由から、引退する可能性は高いものの、現時点ではキハ183系については判断材料が乏しいと言わざるを得ません。
【②2022年度までにキハ261系を新製】
上記でチラッと記載しましたが、キハ261系1000番台の増備は来年度で終了予定です。残りは8両で先頭車を含むユニットが4本製造されます。2022年度までに特急「北斗」のオールキハ261系化が予定されているので、おそらく函館配置になると予想しています。
【③2022年度から721系の老朽取替】
先日公式発表がありました。後日改めてお伝えしますが、資料の快速エアポート用だけでなく、135両全てが置き換えられる計画です。後継車両についてはまだ発表されていませんが、おそらく733系か、733系をより進化させ、731系などと同じくロングシートで既存の車両と朝・夕以降を中心に併結できる車両が投入されるでしょう。転換クロスシートの車両がなくなってしまうのは残念です。
【④2021年度までキハ40形気動車の老朽取替(H100形気動車新製)(緑線区)】
資料に緑枠や黄色枠で区分けされていますが、これは路線や線区の収支状況などによって色使いを分けています。緑枠は主に単独で維持可能な線区等が当てはまります。
一応H100形の製造が今年度で終わるような記載になっていますが、来年度以降も引き続き増備されます。量産車は127両の製造計画があるようで、そのうち、2021年度までに73両、2022年度から2024年度にかけて24両の新製計画があります。
これまで投入してきたエリアというのは、主にJR北海道が単独で維持可能な線区等です。なので、例えば苫小牧に配置されている車両でも、室蘭本線の苫小牧~長万部間は投入されるのに対し、苫小牧~岩見沢間は対象外であったり、日高本線も対象外であったりするのです。石勝線も単独で維持可能な線区等に含まれていますが、運用が苫小牧~岩見沢間の列車と一部含まれる関係で対象外としているのでしょう。
H100形による置き換え対象がキハ40形だけなのか、それ以外の既存のローカル気動車も含まれるのか不明ですが、今のところ、不採算路線以外の路線や線区で投入が進められています。来年度以降もこれが継続されるでしょう。
【⑤2021年度からキハ40形気動車の老朽取替(黄色線区)】
黄色枠で囲ってもう1つキハ40形気動車の老朽取替が今年度から開始されます。黄色枠の代表例となるのが石北本線など、単独で維持することが困難な路線・線区等です。国鉄時代であれば、特定地方交通線に指定され、原則廃止対象とされた線区です。
こちらにはH100形の新製は明記されていません。原則として函館本線山線のように、キハ150形などの既存の気動車が単独で維持することが可能な線区等でH100形への置き換えが実施され、そこで他エリアへ転配し、キハ40形気動車を置き換えるというのが主な方針だと思います。
なぜそうするかというと、キハ261系にしても、H100形にしても、この車両の新製費用というのは国からの支援で実施されています。しかし、先日のように不採算路線廃止の際のように、その支援というのは、不採算路線に対しては実施されず、使い道というのが車両の更新費であったり、単独で維持可能な線区等の設備の修繕費用などに充てられます。
なので、国から支援対象となる単独で維持可能な線区等に新車を優先的に投入していき、不採算路線については既存の車両でキハ40形を置き換えるという方針だと思います。
ただ、石北本線のように現在では一部列車が、3月ダイヤ改正から旭川~上川間で運行する普通列車のうち、その大半の列車をH100形で置き換える例外もあるのです。石北本線については、不採算路線でありながら、特急が運行されている路線ですから、これは将来的に投入されるであろうキハ261系もこの例外に含まれてくるでしょう。不採算路線のキハ40形の処遇についても、まだまだ未知な点が多いです。
ということで、管理者なりの見解を含めて1つ1つ紹介してきました。来年度になれば、この中からまだ判断材料の乏しい項目の中から、明らかになるものも出てくるでしょう。
特に今年度と来年度は特急車両の体制が大きく変わるであろう年です。どのように変化していくのか楽しみですね。
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今回はJR北海道の今後の車両の老朽取替・新製計画について見ていきたいと思います。
まずは以前発表された「JR北海道グループ中期経営計画2023」の資料から。

ホームページから見れますよ。車両の老朽取替・新製計画については・・・
・2022年度までにキハ183系、キハ281系、キハ283系の老朽取替
・2022年度までにキハ261系を新製
・2022年度から721系の老朽取替
・2021年度までキハ40形気動車の老朽取替(緑線区)
・2021年度からキハ40形気動車の老朽取替(黄色線区)
多目的車両の製造は終了しているので、現在進行形で動いているのは上記の5項目です。1つ1つ見ていきましょう。
【①2022年度までにキハ183系、キハ281系、キハ283系の老朽取替】
これは管理者も記事掲載時に触れてきたことですが、キハ261系を除いて、既存の特急気動車は2022年度まで、つまり来年度までに老朽取替を実施する計画があります。
現時点で判明していることは、キハ283系が今年3月のダイヤ改正で特急「おおぞら」から撤退し、定期営業列車を失います。一方、一部の車両は苗穂運転所(札ナホ)に出入りしている情報もあり、今後の動向が気になる車両でもあります。
キハ281系については、JR北海道から2022年度中に特急「北斗」をキハ261系に統一すると既に発表されています。言い換えれば、2022年度中にキハ281系が特急「北斗」から撤退することを意味します。
キハ261系1000番台は来年度で増備は終了します。残るは8両で増結用中間車の製造は既に終了し、あとは先頭車を含むユニットが4本製造されます。キハ281系の運用は現在2運用なので、最終増備車は函館に配置され、キハ281系を置き換えるものと推測します。理由は3月ダイヤ改正で特急「おおぞら」に追加投入する22両については、既に釧路運輸車両所(釧クシ)に揃っており、現時点で置き換えが明確なキハ281系の置き換えのために使用され、且つその担当する車両基地に配置するというのが自然な流れだからです。
キハ183系の今後については不明な点が多いです。来年度中の老朽取替とはなっているものの、その気配が未だ感じられません。理由は、昨今網走方面の特急列車にラベンダー編成が使用されていますが、その道内各方面で使用されるはずの車両にさえ、車内のインフォメーションボードの表示、LEDヘッドマークの用意、行先表示の用意がされておらず、ステッカー対応になっています。
事前に投入を予定しているのであれば、既にそのデータが入っていても不思議ではなく、現にそうしておいた方が昨今のように充当する度にステッカーを貼る作業を実施しなければなりません。現状の札幌所属のキハ261系でも網走方面まで充当すれば予備の車両数が足りなくなります。よって、現時点では動向がわからないままです。
しかし、本州方面の方からコメントをいただき、昨今キハ183系ではヘッドマークを1980年代のものに復刻して営業運転を実施しています。今後さらに先頭車1両、グリーン車1両に対してオレンジのラインに白を基調とした1980年代の塗装に復刻します。JR西日本の381系「やくも」のように、こうした復刻イベントというのは、将来的な引退を示唆するものとして認識されており、現に「やくも」では新型車両の登場も決まりました。こうした理由から、引退する可能性は高いものの、現時点ではキハ183系については判断材料が乏しいと言わざるを得ません。
【②2022年度までにキハ261系を新製】
上記でチラッと記載しましたが、キハ261系1000番台の増備は来年度で終了予定です。残りは8両で先頭車を含むユニットが4本製造されます。2022年度までに特急「北斗」のオールキハ261系化が予定されているので、おそらく函館配置になると予想しています。
【③2022年度から721系の老朽取替】
先日公式発表がありました。後日改めてお伝えしますが、資料の快速エアポート用だけでなく、135両全てが置き換えられる計画です。後継車両についてはまだ発表されていませんが、おそらく733系か、733系をより進化させ、731系などと同じくロングシートで既存の車両と朝・夕以降を中心に併結できる車両が投入されるでしょう。転換クロスシートの車両がなくなってしまうのは残念です。
【④2021年度までキハ40形気動車の老朽取替(H100形気動車新製)(緑線区)】
資料に緑枠や黄色枠で区分けされていますが、これは路線や線区の収支状況などによって色使いを分けています。緑枠は主に単独で維持可能な線区等が当てはまります。
一応H100形の製造が今年度で終わるような記載になっていますが、来年度以降も引き続き増備されます。量産車は127両の製造計画があるようで、そのうち、2021年度までに73両、2022年度から2024年度にかけて24両の新製計画があります。
これまで投入してきたエリアというのは、主にJR北海道が単独で維持可能な線区等です。なので、例えば苫小牧に配置されている車両でも、室蘭本線の苫小牧~長万部間は投入されるのに対し、苫小牧~岩見沢間は対象外であったり、日高本線も対象外であったりするのです。石勝線も単独で維持可能な線区等に含まれていますが、運用が苫小牧~岩見沢間の列車と一部含まれる関係で対象外としているのでしょう。
H100形による置き換え対象がキハ40形だけなのか、それ以外の既存のローカル気動車も含まれるのか不明ですが、今のところ、不採算路線以外の路線や線区で投入が進められています。来年度以降もこれが継続されるでしょう。
【⑤2021年度からキハ40形気動車の老朽取替(黄色線区)】
黄色枠で囲ってもう1つキハ40形気動車の老朽取替が今年度から開始されます。黄色枠の代表例となるのが石北本線など、単独で維持することが困難な路線・線区等です。国鉄時代であれば、特定地方交通線に指定され、原則廃止対象とされた線区です。
こちらにはH100形の新製は明記されていません。原則として函館本線山線のように、キハ150形などの既存の気動車が単独で維持することが可能な線区等でH100形への置き換えが実施され、そこで他エリアへ転配し、キハ40形気動車を置き換えるというのが主な方針だと思います。
なぜそうするかというと、キハ261系にしても、H100形にしても、この車両の新製費用というのは国からの支援で実施されています。しかし、先日のように不採算路線廃止の際のように、その支援というのは、不採算路線に対しては実施されず、使い道というのが車両の更新費であったり、単独で維持可能な線区等の設備の修繕費用などに充てられます。
なので、国から支援対象となる単独で維持可能な線区等に新車を優先的に投入していき、不採算路線については既存の車両でキハ40形を置き換えるという方針だと思います。
ただ、石北本線のように現在では一部列車が、3月ダイヤ改正から旭川~上川間で運行する普通列車のうち、その大半の列車をH100形で置き換える例外もあるのです。石北本線については、不採算路線でありながら、特急が運行されている路線ですから、これは将来的に投入されるであろうキハ261系もこの例外に含まれてくるでしょう。不採算路線のキハ40形の処遇についても、まだまだ未知な点が多いです。
ということで、管理者なりの見解を含めて1つ1つ紹介してきました。来年度になれば、この中からまだ判断材料の乏しい項目の中から、明らかになるものも出てくるでしょう。
特に今年度と来年度は特急車両の体制が大きく変わるであろう年です。どのように変化していくのか楽しみですね。
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