ダイヤ改正前からキハ283系の苗穂工場留置が増えてきた
キハ283系 - 2022年03月07日 (月)
キハ283系の特急「おおぞら」の営業運転終了まで1週間を切りました。いよいよラストスパートです。
そのラストスパートを前に、先週から苗穂工場に留置されるキハ283系も増えてきました。


屋外に留置されている車両は6両ありました。現在釧路運輸車両所(釧クシ)に30両ぐらい配置されているはずですから、2割程度の車両が苗穂にいることになります。
グリーン車も1両あるので、だいたい1編成分と考えてもらっていいでしょう。
管理者もブログやツイッターでさまざまな情報を発信しています。その中で多いのが石北本線への転用説です。キハ261系も次回の8両で増備が終了します。おそらくキハ281系の置き換えに充てられます。しかしこのままではキハ183系置き換え用として両数が不足してしまいます。よって、既存車による置き換えを予想し、経年の浅いキハ283系を転用する説が浮上しているのです。
先日キハ283系の報道も出ましたが、現地の整備担当者のコメントでは、「釧路管内での営業運転を終了する」と言及していたり、一方で画面上には「キハ283系引退へ」と表示されていたり、その他報道もキハ283系引退と掲載されるようになりました。捉え方はさまざまですが、管理者としてはやはり転用は難しいと判断せざるを得ないのです。
理由は、部品数が多く、ランニングコストのかかるキハ283系を維持すること自体、JR北海道にとって難しくなっています。また、ここ1カ月間の様子をみても、何度か故障で車両の差し替えを実施しています。元々故障が多い車両のようで、これを全区間にわたって豪雪地帯で、さらに走行条件が厳しくなる路線に投入した場合、故障リスクが高まることは言うまでもありません。
先日も紹介した「JR北海道グループ中期経営計画2023」における今後の車両の老朽取替計画では、既存のキハ183系・キハ281系・キハ283系は来年度までに置き換えを予定しており、このことからも、キハ283系は転用されることなく、そのまま引退する可能性が高いのです。
そもそも振り子式車両が他線区へ転用した例は、JR西日本の381系しかありません。こちらは自然振り子式の車両で、キハ283系のような制御つき自然振り子式車両に絞れば、実は転用事例がないのです。振り子式車両その線区や路線で列車の高速化で威力を発揮できる反面、他線区転用という融通、汎用性が低いことはJR東日本のE351系の例をみてもわかると思います。
転用した381系も長い期間は活躍せず、287系を特急「くろしお」に投入し、その余剰車を一時的に活用したものです。2012年6月から183系を置き換えました。こちらも北陸新幹線の金沢延伸後、683系2000番台から改造された289系によって2015年10月まで使用されました。あくまでも後継車登場までの「つなぎ」として使用したに過ぎないのです。
仮に振り子機構を停止して運行するという可能性は、もしそれが可能であったとしても、振り子式車両で特殊な台車を履いており、部品数が多く、それは一部の機能を停止させたからといって整備・メンテナンスが大幅に省略できるわけではありません。いずれにしても、転用できる可能性は現時点では難しく、一部車両が苗穂工場に入場している様子をみると、残念ながら、役目を終えたと現時点では判断せざるを得ないのです。
そしてもう1つ。先日短い動画をTwitterとInstagramに流しました。どちらもたくさんの方に閲覧いただきました。
途中でペットボトルが落下するのです。走行する区間にもよりますが、キハ283系は特に走行中の揺れが激しい車両です。
要は揺れを押さえ切れていないのです。長年の高速走行で車体の剛性が落ちてしまっていると判断できます。ちょうど変速時にペットボトルが落下しているので、変速時の揺れも車体で吸収できないほど剛性が落ちてしまっています。
揺れが激しい現象は、JR四国の2000系でもあったようです。これらの形式に共通しているのは振り子式車両であること。特殊な台車を装備し、部品数が多くなり、ランニングコストがかかることぐらいしか我々は欠点を知りませんが、例えばカーブで高速走行中に車体が傾斜しますが、台車にかかる力と車体にかかる力は異なります。しかもそれをキハ283系の場合は最大傾斜角度を増やしていますから、可動域を増やすことによって、より力のねじれが生じて車体の剛性を落としてしまう可能性もあるのです。このあたりは解明されていないので、管理者も気になる点です。
全国で振り子式車両を振り子式車両で置き換えた事例は、今のところJR四国の2700系ぐらいしかありません。2700系も2000系から大幅に進化している箇所は少なく、にも関わらず自重は50t程度あります。この重量増を一体何に使っているのか、車体の剛性を上げているために使っているのか気になります。まずはこれで20年程度使用して2000系と差が生じるのか気になります。
剛性が落ちているからといって、それが必ずしも安全性の欠如には結びつきません。ただし振動については記憶にある限りではだ脱線火災事故への影響が少なからずあったはずです。そのようなこともあって、ほかの車両が最高運転速度120km/hで運行しているのに対し、キハ283系についてはさらに最高速度が落とされています。理由としては、キハ283系を新たな基準で安全に運行できる最高運転速度が110km/hということが発表されています。
速度が向上すればするほど、走行中の揺れも伝わりやすくなります。メンテナンス上の理由ももちろんあるでしょう。いずれにしても剛性が落ちていることに良い点はなく、剛性は確保されていることに越したことはないです。
ここまで管理者の見解を記載してきました。まだどうなるかわかりませんが、過去の事例をみても転用は現時点では難しいです。ダイヤ改正以降、キハ283系の今後について徐々に明らかになってくることでしょう。
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そのラストスパートを前に、先週から苗穂工場に留置されるキハ283系も増えてきました。


屋外に留置されている車両は6両ありました。現在釧路運輸車両所(釧クシ)に30両ぐらい配置されているはずですから、2割程度の車両が苗穂にいることになります。
グリーン車も1両あるので、だいたい1編成分と考えてもらっていいでしょう。
管理者もブログやツイッターでさまざまな情報を発信しています。その中で多いのが石北本線への転用説です。キハ261系も次回の8両で増備が終了します。おそらくキハ281系の置き換えに充てられます。しかしこのままではキハ183系置き換え用として両数が不足してしまいます。よって、既存車による置き換えを予想し、経年の浅いキハ283系を転用する説が浮上しているのです。
先日キハ283系の報道も出ましたが、現地の整備担当者のコメントでは、「釧路管内での営業運転を終了する」と言及していたり、一方で画面上には「キハ283系引退へ」と表示されていたり、その他報道もキハ283系引退と掲載されるようになりました。捉え方はさまざまですが、管理者としてはやはり転用は難しいと判断せざるを得ないのです。
理由は、部品数が多く、ランニングコストのかかるキハ283系を維持すること自体、JR北海道にとって難しくなっています。また、ここ1カ月間の様子をみても、何度か故障で車両の差し替えを実施しています。元々故障が多い車両のようで、これを全区間にわたって豪雪地帯で、さらに走行条件が厳しくなる路線に投入した場合、故障リスクが高まることは言うまでもありません。
先日も紹介した「JR北海道グループ中期経営計画2023」における今後の車両の老朽取替計画では、既存のキハ183系・キハ281系・キハ283系は来年度までに置き換えを予定しており、このことからも、キハ283系は転用されることなく、そのまま引退する可能性が高いのです。
そもそも振り子式車両が他線区へ転用した例は、JR西日本の381系しかありません。こちらは自然振り子式の車両で、キハ283系のような制御つき自然振り子式車両に絞れば、実は転用事例がないのです。振り子式車両その線区や路線で列車の高速化で威力を発揮できる反面、他線区転用という融通、汎用性が低いことはJR東日本のE351系の例をみてもわかると思います。
転用した381系も長い期間は活躍せず、287系を特急「くろしお」に投入し、その余剰車を一時的に活用したものです。2012年6月から183系を置き換えました。こちらも北陸新幹線の金沢延伸後、683系2000番台から改造された289系によって2015年10月まで使用されました。あくまでも後継車登場までの「つなぎ」として使用したに過ぎないのです。
仮に振り子機構を停止して運行するという可能性は、もしそれが可能であったとしても、振り子式車両で特殊な台車を履いており、部品数が多く、それは一部の機能を停止させたからといって整備・メンテナンスが大幅に省略できるわけではありません。いずれにしても、転用できる可能性は現時点では難しく、一部車両が苗穂工場に入場している様子をみると、残念ながら、役目を終えたと現時点では判断せざるを得ないのです。
そしてもう1つ。先日短い動画をTwitterとInstagramに流しました。どちらもたくさんの方に閲覧いただきました。
途中でペットボトルが落下するのです。走行する区間にもよりますが、キハ283系は特に走行中の揺れが激しい車両です。
要は揺れを押さえ切れていないのです。長年の高速走行で車体の剛性が落ちてしまっていると判断できます。ちょうど変速時にペットボトルが落下しているので、変速時の揺れも車体で吸収できないほど剛性が落ちてしまっています。
揺れが激しい現象は、JR四国の2000系でもあったようです。これらの形式に共通しているのは振り子式車両であること。特殊な台車を装備し、部品数が多くなり、ランニングコストがかかることぐらいしか我々は欠点を知りませんが、例えばカーブで高速走行中に車体が傾斜しますが、台車にかかる力と車体にかかる力は異なります。しかもそれをキハ283系の場合は最大傾斜角度を増やしていますから、可動域を増やすことによって、より力のねじれが生じて車体の剛性を落としてしまう可能性もあるのです。このあたりは解明されていないので、管理者も気になる点です。
全国で振り子式車両を振り子式車両で置き換えた事例は、今のところJR四国の2700系ぐらいしかありません。2700系も2000系から大幅に進化している箇所は少なく、にも関わらず自重は50t程度あります。この重量増を一体何に使っているのか、車体の剛性を上げているために使っているのか気になります。まずはこれで20年程度使用して2000系と差が生じるのか気になります。
剛性が落ちているからといって、それが必ずしも安全性の欠如には結びつきません。ただし振動については記憶にある限りではだ脱線火災事故への影響が少なからずあったはずです。そのようなこともあって、ほかの車両が最高運転速度120km/hで運行しているのに対し、キハ283系についてはさらに最高速度が落とされています。理由としては、キハ283系を新たな基準で安全に運行できる最高運転速度が110km/hということが発表されています。
速度が向上すればするほど、走行中の揺れも伝わりやすくなります。メンテナンス上の理由ももちろんあるでしょう。いずれにしても剛性が落ちていることに良い点はなく、剛性は確保されていることに越したことはないです。
ここまで管理者の見解を記載してきました。まだどうなるかわかりませんが、過去の事例をみても転用は現時点では難しいです。ダイヤ改正以降、キハ283系の今後について徐々に明らかになってくることでしょう。
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