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日本で唯一牧場の敷地内にあった駅!!3月で廃止された函館本線・流山温泉駅(N70)

期間が空いてしまいましたが、3月ダイヤ改正で廃止された駅の紹介の続きです。

今回は函館本線の流山温泉駅。実は以前から気になっていた駅でありました。



駅ホームの隣に新幹線の車両が置かれていた駅です。







この流山温泉駅というのは、大沼流山牧場の敷地内にあります。そう、全国で唯一牧場の敷地内にある旅客駅なのです。

普段は鎖で入口は塞いでいますが、駅利用時は写真のように鎖を外して車で入ることもできるようです。訪問に際し、不明な点が多かった駅なので、初めて事前に入念な下調べをして訪問した駅でした。





大沼流山牧場の入り口が実質駅前となるわけですが、周辺に民家はゼロです。5枚目の写真で直線道路を進むと、東大沼の集落があるようです。距離にして1.5km強、徒歩で20分ぐらいのようです。それでも、晩年における乗降人員調査は平均1名以下ということで、東大沼の集落の人間ですら利用していなかった実態が伺えます。

周辺は野生動物も多く、時期によっては危険な場合もありますからね。











馬を横目に、道を進んでいきます・・・



歩いている最中に駒ヶ岳も見えました。天気がよければ気持ちいい場所でした。







大沼流山牧場の入り口から5分弱ぐらいでようやく着きました。ここが流山温泉駅です。動物侵入防止のため、ロープが張られていますが、利用する際はくぐって駅へ行く必要がありました。











1面1線の無人駅でした。早朝と深夜の一部の列車は通過していました。



実は駅の裏手は林になっていますが、すぐ横を道道338号大沼公園線が通っています。正規ルートで訪問する場合、遠回りになることから、道道側から無理やり線路をわたって訪問する人間もいたようですが、写真のように柵が設けられていました。



駅名は流山温泉ですが、駅前に温泉はありません。かつては温泉などの複合型リゾート施設として周辺が計画されていました。

元々は平成初頭から流山温泉があった場所は大沼国定公園内に位置しており、JR北海道は将来の観光資源として鉄道事業に寄与するものとし、JR東日本とともにゴルフ場を中核とした複合型リゾート施設を計画していました。

しかし、経済状況の悪化もあって計画が見直され、2000年から駅設置へ向けての工事を開始し、2002年に流山温泉、レストラン、彫刻公園などの施設が開業し、同時にこれら施設へのアクセスを目的に流山温泉駅が設置されました。

3月ダイヤ改正で営業を開始した学園都市線のロイズタウン駅の次に新しい駅が、この流山温泉駅だったのです。その一番新しかった駅が僅か20年で廃止されるとは当初思いもしなかったでしょう。

そして、1枚目の写真のとおり、廃車となった200系新幹線が駅ホーム横に保存されました。これは、将来的に津軽海峡を渡って北海道に新幹線がやってくるという願いを込めた意味合いがありました。後にその願いは達成されることになり、車両の老朽化も激しかったことから、役目を終えて解体されました。

鉄道の日などは車内に入れたようです。

経済状況が好転するわけでもなく、立地条件的に流山温泉と周辺の施設は利用しやすいとは言えませんでした。結果、毎年赤字を計上する厳しい経営状態となり、JR北海道も車両トラブルが相次ぎ、線路データ改ざんなどの不祥事に見舞われます。

流山温泉はJR北海道の直営事業でしたが、そうしたJR北海道の大変な時期とも重なって不採算事業として廃止され、流山温泉の営業は2015年2月28日をもって終了しました。周辺も多少見てきましたが、施設自体は既にないと思われ、周囲に温泉がないのに、駅名に温泉がついている不思議な駅となっていました。

温泉施設廃止後も3月ダイヤ改正まで流山温泉駅は残存していましたが、事前に七飯町に残すか廃止するかの選択を文書で通知し、存続を断念して廃止となりました。

元々はJR北海道の意向で設置した駅のようなものですから、それを最終的に自治体に残すか、廃止するか確認するというのはおかしな話です。駅設置に際して、例えば七飯町が資金を拠出しているわけではないと思いますが、やはり流山温泉そのものが廃止されたのだから、その1年後あたりを目安に駅も廃止するべきでした。

こうした特殊な状況をみていると、対応の遅さが露呈しています。2016年末になって、ようやく単独で維持することが困難な路線を発表し、それから利用僅少なローカル駅を廃止してきましたから、こういう金をドブに捨てているような駅はさっさと失くすべきだったのです。

これまで廃止された駅をいくつも紹介してきましたが、流山温泉駅のような事例はありませんでした。毎年この時期になったら廃止になった駅紹介をしていますが、どの駅もさまざまな歴史があって面白いですね。

次回の池田園駅でダイヤ改正で廃止になって駅紹介を終わります。












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コメント
11389:嗚呼、流山温泉駅。 by 天寧 on 2022/04/16 at 16:24:07 (コメント編集)

こんにちは。
流山温泉駅開業の頃、函館に住んでいたのであの頃の熱気を今でも覚えております。
函館から流山温泉に向かう臨時快速などが運転されました。実際には銚子口まで回送してましたが。
当時は「SL函館大沼号」のほか、トマサホを使った「マウントレイク大沼号」なども停車し、開業年には「ノロッコ号」まで旭川から持って来る賑わいでした。
温泉嫌いの私は一度も行ったことがなく、せめて下車だけでもと思って計画を立てたら列車の遅れでダメになってしまい、残念な思い出しかありません。
駅番号の記号「N」は流山温泉から採ったのに、その駅がなくなるとは皮肉です。
流山温泉がとっくに閉園しているのにかつての営業時間に合わせて列車を停めていたのは不思議でしたね。

11395: by 管理人 on 2022/04/18 at 21:42:28

>>「天寧」さん、コメントありがとうございます。

臨時列車も停車しましたが、駅としては短命に終わり、加えて、不採算事業として流山温泉駅そのものがなくなってしまいました。本来であれば、温泉がなくなった時点で役目は終えており、2016年3月ダイヤ改正あたりで廃止にすべきだったと思います。

早朝と深夜の便で一部通過となっていましたが、それ以外は停車していました。ですが、砂原線は日中の便がそもそもないため、全体的な本数はやはり少なかったです。

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