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北海道の鉄道の内容を中心に自身の知識も含めながらブログの記事を日々更新しています。札幌市在住のため、主に札幌圏を走行する列車についての話題です。

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【コラム】JR北海道とカーボンニュートラル

久々のコラム記事です。

今年の2月9日のJR北海道のニュースリリースに、『長期環境目標「JR北海道グループ カーボンニュートラル2050」の策定について』という資料が発表されました。

政府が「2050年カーボンニュートラル」、北海道が「ゼロカーボン北海道」を宣言したことで、JR北海道としても長期環境目標として「JR北海道グループ カーボンニュートラル2050」を策定するに至りました。



そのニュースリリースの資料の最後ですが、JR北海道では2030年度までに、消費電力低減を目的に721系の置き換え、社用車をガソリン車やディーゼル車から電気自動車への切り替え、LED化の推進によってCO2の排出量を大幅に低減する計画です。

そしてその20年後の2050年には、CO2排出量を実質ゼロとし、持続可能な社会の実現に向けて社会的責任を果たす企業として進んでいきます。

ここ最近になって耳にするようになった「カーボンニュートラル」ですが、意味としては、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させてることを意味します。

先日、この内容でコメントをいただき、その方は少し勘違いをしていましたが、決してCO2の排出をゼロにするわけではなく、それを達成しなかった場合の罰則もありません。

いくら技術が進歩しても、例えば車両を製造するにしても、大量のCO2が排出されてしまいます。ここはもう排出を抑えることはできませんから、代わりに、上記のように高効率なエネルギーに変えて、それが例えば新しい電車への置き換えだったり、電気自動車や燃料電池車投入の推進だったりするのです。

誤った考え方と共通していることは、いずれにしても、今後は気動車などでCO2の排出量の大幅な削減は余儀なくされます。排出量と森や緑によるCO2の吸収量及び除去量を均衡させることで、排出量を実質ゼロとすることです。


今のところ、カーボンニュートラルについては、あくまで目標の1つであり、達成されなかった場合や取り組みを実施しない場合の罰則についてはないはずです。ですが、いずれより環境問題の取り組みが重要になってくるようになれば、そうした罰則や法律が整備されるのではないでしょうか?

なぜ、この問題に取り組むかというと、全ては地球温暖化問題とそれに関連する気候変動の問題です。管理者は専門家でもなければ、天候の仕組みについて全くの無知ですが、報道などで話を聞いている限りだと、近年の異常気象も地球温暖化が原因の1つと言われています。

異常気象は、ときには我々人間の命の脅威になります。このまま毎年のように日本のどこかで、世界のどこかで、異常気象が続けば、これまでの世界の均衡が崩れ、我々は生きていくことすら困難になります。

その対策として、CO2などを含めた温室効果ガスの排出量を減らし、吸収量と同じとすることで、これ以上の地球温暖化の進行を食い止めなければならないのです。

但し、このカーボンニュートラルを実施することで、環境問題が格段に良くなるというわけではなく、あくまで現状の環境を維持するという意味合いが強いでしょう。吸収量を上回ればそれは凄いことですが、均衡させること自体が非常に難しい問題なのに対し、それを実施するには、またさらなる課題にぶち当たるでしょう。



JR北海道のカーボンニュートラルの資料で紹介されていたH100形デクモ。

従来の気動車のように、ディーゼルエンジンを搭載していることに変わりありませんが、そのエンジンが発電用であり、モーターを介して走る仕組みに変わっています。従来の気動車に比べてCO2の排出量、燃費など、どれほど数値的に向上しているのか不明ですが、従来の動力伝達方式から大幅に刷新された新時代の気動車です。

どちらかというと、環境問題を重視したというよりは、従来の気動車のように、シャフトを介して動力を伝えるわけではないので、部品数を削減することができるという利点があります。結果、車両のメンテナンスの向上が図られます。投入の真の狙いはこちらにあり、投入に際しての資料にも環境問題について特に大きく触れられていませんでした。


気動車大国である北海道で環境問題を重視した車両は、現時点ではH100形のような車両が限界です。2050年までに目標達成を掲げるも、大きな課題があるのです。


それは、非電化区間が多く、路線距離が長いうえ、電気で走る車両や燃料電池車の投入が現時点で難しいことです。

H100形ですら、燃料を動力源としてモーターを介して車両を動かしているわけですが、カーボンニュートラルを取り組んでいくうえで、排出量と吸収量を実質ゼロにするためには、そうした燃料の消費などによるCO2の排出量を極限まで抑えなければなりません。

その代替として注目されているのが燃料電池を搭載した車両や、蓄電池を搭載した車両です。両者の違いは、前者が電力を自ら発電できるのに対し、蓄電池は発電する機能はありません。蓄電池を搭載した車両については、日本では営業列車として東日本でEV–E801系や九州のBEC819系が先に投入されています。

自ら発電する機能を有しませんが、走行区間において電化区間が含まれる場合、パンタグラフを搭載していることで、蓄電池の充電率が低い場合は架線からの電気で蓄電池への充電が実施されます。現状での課題は、充電が切れると走れなくなり、いずれの投入線区にしても、短距離で運行できる列車でしか営業運転に投入されていません。

北海道の場合、非電化という現状でCO2を大量に排出せざるを得ないエリアが大半を占め、加えて、列車の始終着となる拠点の駅と拠点の駅との距離が長いこと、さらに、ときには−20℃にもなる極寒地において燃料電池車や蓄電池車が通用するのか等、北海道において2050年にCO2の排出量を実質ゼロにするにはさまざまな課題があります。

蓄電池車両や将来的に営業列車として投入されるであろう燃料電池車の航続可能距離が伸びれば、北海道としてもある程度可能性が見えてきますが、現状では非常に厳しいと判断せざるを得ないです。


それ以前に、公共交通や移動手段が多種多様化する中で、在来線の機能としての限界も見えてきました。2050年の北海道では、札幌圏や新幹線を除いて、鉄道が生きているかどうかさえわからない状況です。仮に非電化区間のほぼ全てを抹消したら、カーボンニュートラルの取り組みは、目標が達成しやすくなるでしょう。

管理者は鉄道のほかに自動車も好きなので、カーボンニュートラルの取り組みについては凄く興味があります。保有している車も全て旧車ばかりで、燃費も悪く、カーボンニュートラルとは程遠い車です。いずれ規制や法律ができ、走ることができなくなるような社会にだけはなって欲しくないというのが正直なところです。

一見難しい問題に見えますが、調べてみると、けっこうすんなり入るカーボンニュートラル。今後の身近な問題として我々は把握しておかなければなりませんね。










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コメント
11467:同じ境遇のJR四国やかつてその境遇だった上場4社のうちの一つJR九州との違い by ダッフィー on 2022/05/17 at 16:35:01

カーボンニュートラルにはさまざまな問題がある。
JR四国も比較的非電化率が高く、徳島県に至ってはひとつも電車が走っていないのです。
あちらはやろうと思えばハイブリッドによる気動車が導入出来そうなんですけど、北海道はそうはいかない。
そして、カーボンニュートラルにはコープさっぽろがやっているバイオディーゼルに関する方法があるんですが、いかんせん函館、釧路、稚内、網走に行くのに天ぷら油の廃油を使って運用するというハイリスクハイコストローリターンなことをJRはやるのかというと無理。
あれも凍りますし。

11480: by 若潮 on 2022/05/22 at 11:14:23 (コメント編集)

こんにちは。
ヨーロッパの環境保護団体など、どうも「自然エネルギー発電にすれば100%無公害」と勘違いしている向きがあまりにも多いように思います。ソーラーパネルや風力発電機の製造過程では化石燃料を使いますし、天候変動への補償のために火力発電を併用している事も多い上、バッテリーで電気を備蓄するにしても、特にリチウムイオン電池は処理のシステムが確立していません (だから日産・リーフのバッテリーを家庭用に二次利用したりしている) 。
又、ご存じの方も多いと思いますが、ソーラーパネルは愛知県とほぼ同じ面積を、風力発電は琵琶湖とほぼ同じ面積を用いないと原子炉1基と同じ発電量になりません。これを鑑みた場合、設置場所の自由度の高いソーラーパネルはまだしも、風力発電は設置にあたって森林伐採や漁場破壊が予想されます。
ただ電気の場合、減速時の回生エネルギーを活用できますので、使い方次第で今後エネルギー消費をもっと低減できると思いますし、電気式気動車 (ハイブリッドを含む) は現在は電気車運転資格で運転できるようになり、電化区間との運転士の融通が利くようになりましたので、今後はより一層、非電化区間の電気化も進むだろうと思います。

11483: by 管理人 on 2022/05/23 at 00:16:15

>>ダッフィーさん、コメントありがとうございます。

北海道でカーボンニュートラルは難しい課題です。今の技術的には航続可能距離が比較的短いので、たとえ電気やモーター、蓄電池で走るようにしても、車両数が増えてしまう可能性があります。

ローカル用車両で3億円以上かかる時代になるはずですから、それは避けたいですよね。

ですが、非電化区間が多いとはいえ、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにできれば、従来の気動車も使っていいわけです。どうなるかわかりませんが、カーボンニュートラルについて方針を策定した以上、何らかの対策があるのでしょう。期待したいと思います。

11495: by 管理人 on 2022/05/25 at 23:05:36

>>若潮さん、コメントありがとうございます。

それはただ発電方法を変えているだけであって、無公害というわけではないですよね。カーボンニュートラルの方針から、再び原子力発電も注目されてきています。

原子力は万が一の際の跳ね返りは大きいですが、逆に自然エネルギーは施設を設置する際に同じく大量の化石燃料を使います。カーボンニュートラルだって、実質排出量をゼロにするだけであって、減らすまでには至りませんから、2050年だったら約30年後の排出量をゼロにするだけなのです。

それまでは環境は悪化する一方でしょう。問題は2050年以降どうするか?ですよね。

交通の面に関しても、車両を製造するうえでは、どうしてもCO2を排出してしまいます。化石燃料も使います。仰っているとおり、車両によって運転士の融通が利くようになるという利点もあり、必ずしも環境問題へ結びつける必要はないので、そうした合理化によって、JR北海道の立て直しを図る1つの方針としてあくまで進めていくに留め、状況によって公共交通については、そこまで真剣に取り組むべき必要はないと感じており、体力次第で無理なく実施できればいい程度で抑えておければと思っています。

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