残存するキハ283系の普通車25両全てが苗穂運転所(札ナホ)転属へ
キハ283系 - 2022年06月03日 (金)
先日発売された鉄道ファン誌で、近況の様子が明らかになったキハ283系。




昨今は写真のように苗穂運転所(札ナホ)を中心に、一部車両は苗穂工場に入場しています。営業運転終了後は苗穂エリアに集約されました。
先日お伝えしたとおり、グリーン車については4両全てが廃車になりましたが、残る普通車25両については、全てが苗穂運転所(札ナホ)に転属となっていることがわかりました。


中には、ダイヤ改正前から転属された車両もあったようで、ダイヤ改正直前にはキハ261系1000番台の釧路車による代走も確認されました。最後の写真2枚は、ダイヤ改正以降、苗穂運転所(札ナホ)に入区するシーンを撮影したものです。
転属となり、且つ先日函館本線で試運転を実施していたキハ261系1000番台が同車の最終増備車ということを踏まえると、石北特急としてキハ183系の後継となるのは、キハ283系しかなくなります。公式発表されていないので何とも言えませんが、管理者の予想が見事に外れる展開となりそうです。
一方、グリーン車については廃車となりましたから、仮に転用された場合はどのような運行体系になるのか気になるところです。石北特急のグリーン車利用は、必ずしも需要が確保されていたとは言いづらく、コロナ禍の影響もあってさらなる利用低迷に悩まされていました。繁忙期を除けばほぼ空気輸送が常態化している状況で、昨今の様子だとグリーン車は必ずしも必要なく、むしろ利用の中心が札幌〜旭川間である以上、自由席や指定席主体で編成を構成し、座席数を確保した方が無難な判断と言えます。
仮に転用が実現し、キハ283系だけで編成を構成する場合、編成中に車いす対応車は指定席として連結しなければならないので、遠軽方2両目に。自由席も最低でも1両半を必要と考えると、普通車が2両必要になるので、やはり4両編成あたりが基本編成ということでしょうか。
ちなみに、グリーン車を廃止し、モノクラス特急として思い切った判断をした列車といえば、近年の気動車特急であれば、JR西日本の特急「はまかぜ」があります。ただしこちらは、グリーン車廃止分を普通車に代替することはなく、単純にグリーン車分を減車しただけになりました。しかしその分、元々の車両が古かったこともあり、普通車でも十分質感の向上が図られ、むしろグリーン車の必要性や格差というものがなくなったと思います。
キハ261系1000番台の石北本線投入については、最終増備車が函館配置となり、これ以上の製造は現段階で予定されていません。仮に札幌車を稼働させる体力はあるにしても、今度は予備車両不足に陥ることから、現時点で投入は難しいと判断せざるを得ません。
また、キハ261系1000番台を転用させる場合、現時点では投入に際して難しい問題があるのも事実です。それは、現在のキハ183系を転用・投入当初にも上がった問題ですが、中間車の乗降扉が遠軽方に設置されているため、例えば自由席が現在のように3号車の一部まで設定する場合、座席確保を目的として4号車側から乗り込んで、座席を確保使用とする利用客も出てくるわけです。
おそらくこれを防止するのに加え、旭川駅の乗継において、特急「ライラック」と座席の位置を極力合わせるために途中からキハ183系を方向転換したと思いますが、キハ261系1000番台で単純に置き換えただけでは、そうした問題が新たに発生してしまうのです。
その点キハ283系は、中間車の乗降扉は札幌寄りに設けられており、このまま転用して一部車両を指定席と一部自由席としても、現在のキハ183系と同様に何ら問題なく対応することが可能なのです。
そうしたことから、今回苗穂へ転属が確認されたキハ283系しか石北特急の転用候補がありません。仮にこれが実現すれば、振り子の使用はともかくとして、日本の在来線において、制御付き自然振り子式車両で初の転用事例ということになります。
振り子式車両という枠で見れば、381系がJR西日本の「こうのとり」などで一時的に転用されていました。これが現在までの唯一の転用事例でもあります。細かく見ていけば、JR四国も2700系投入とともに、2000系のマイナーチェンジ版であるN2000系が「うずしお」から「宇和海」に転用されましたが、これは同じ2000系に含まれ、今回は異形式による置き換えということに着目したいので省略します。
車両側の設備だけで済む381系でさえ、287系投入とともに、後に乗り心地の改善や振り子作動時の限界に支障ないように角度を抑制した改造を実施しました。それだけ、振り子式車両の転用というのは難しいです。路線や方面に性能を特化できる分、転用が難しいという大きな跳ね返りを負います。
残るキハ283系のほとんどは、2001年に製造された最終増備車で今年で車齢は21年です。在来線の車両からすれば20年はまだまだ使用できる範囲ですが、特急「おおぞら」からの引退時に、長年の高速運転によって車体の傷みが進んでいると報道されていました。
実際に石北特急に転用されれば、特急「おおぞら」使用時からすれば全体的なアベレージスピードは低く、大きな影響はないのかもしれませんが、仮に管理者が日頃から石北特急を利用する立場になって、そうした車体の傷みが進んでいる車両と報道された後に利用するとなれば、何か複雑な気持ちになりますよ。
普通車の転属とグリーン車の廃車が明らかになったキハ283系。今後の情報を待ちたいと思います。
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昨今は写真のように苗穂運転所(札ナホ)を中心に、一部車両は苗穂工場に入場しています。営業運転終了後は苗穂エリアに集約されました。
先日お伝えしたとおり、グリーン車については4両全てが廃車になりましたが、残る普通車25両については、全てが苗穂運転所(札ナホ)に転属となっていることがわかりました。


中には、ダイヤ改正前から転属された車両もあったようで、ダイヤ改正直前にはキハ261系1000番台の釧路車による代走も確認されました。最後の写真2枚は、ダイヤ改正以降、苗穂運転所(札ナホ)に入区するシーンを撮影したものです。
転属となり、且つ先日函館本線で試運転を実施していたキハ261系1000番台が同車の最終増備車ということを踏まえると、石北特急としてキハ183系の後継となるのは、キハ283系しかなくなります。公式発表されていないので何とも言えませんが、管理者の予想が見事に外れる展開となりそうです。
一方、グリーン車については廃車となりましたから、仮に転用された場合はどのような運行体系になるのか気になるところです。石北特急のグリーン車利用は、必ずしも需要が確保されていたとは言いづらく、コロナ禍の影響もあってさらなる利用低迷に悩まされていました。繁忙期を除けばほぼ空気輸送が常態化している状況で、昨今の様子だとグリーン車は必ずしも必要なく、むしろ利用の中心が札幌〜旭川間である以上、自由席や指定席主体で編成を構成し、座席数を確保した方が無難な判断と言えます。
仮に転用が実現し、キハ283系だけで編成を構成する場合、編成中に車いす対応車は指定席として連結しなければならないので、遠軽方2両目に。自由席も最低でも1両半を必要と考えると、普通車が2両必要になるので、やはり4両編成あたりが基本編成ということでしょうか。
ちなみに、グリーン車を廃止し、モノクラス特急として思い切った判断をした列車といえば、近年の気動車特急であれば、JR西日本の特急「はまかぜ」があります。ただしこちらは、グリーン車廃止分を普通車に代替することはなく、単純にグリーン車分を減車しただけになりました。しかしその分、元々の車両が古かったこともあり、普通車でも十分質感の向上が図られ、むしろグリーン車の必要性や格差というものがなくなったと思います。
キハ261系1000番台の石北本線投入については、最終増備車が函館配置となり、これ以上の製造は現段階で予定されていません。仮に札幌車を稼働させる体力はあるにしても、今度は予備車両不足に陥ることから、現時点で投入は難しいと判断せざるを得ません。
また、キハ261系1000番台を転用させる場合、現時点では投入に際して難しい問題があるのも事実です。それは、現在のキハ183系を転用・投入当初にも上がった問題ですが、中間車の乗降扉が遠軽方に設置されているため、例えば自由席が現在のように3号車の一部まで設定する場合、座席確保を目的として4号車側から乗り込んで、座席を確保使用とする利用客も出てくるわけです。
おそらくこれを防止するのに加え、旭川駅の乗継において、特急「ライラック」と座席の位置を極力合わせるために途中からキハ183系を方向転換したと思いますが、キハ261系1000番台で単純に置き換えただけでは、そうした問題が新たに発生してしまうのです。
その点キハ283系は、中間車の乗降扉は札幌寄りに設けられており、このまま転用して一部車両を指定席と一部自由席としても、現在のキハ183系と同様に何ら問題なく対応することが可能なのです。
そうしたことから、今回苗穂へ転属が確認されたキハ283系しか石北特急の転用候補がありません。仮にこれが実現すれば、振り子の使用はともかくとして、日本の在来線において、制御付き自然振り子式車両で初の転用事例ということになります。
振り子式車両という枠で見れば、381系がJR西日本の「こうのとり」などで一時的に転用されていました。これが現在までの唯一の転用事例でもあります。細かく見ていけば、JR四国も2700系投入とともに、2000系のマイナーチェンジ版であるN2000系が「うずしお」から「宇和海」に転用されましたが、これは同じ2000系に含まれ、今回は異形式による置き換えということに着目したいので省略します。
車両側の設備だけで済む381系でさえ、287系投入とともに、後に乗り心地の改善や振り子作動時の限界に支障ないように角度を抑制した改造を実施しました。それだけ、振り子式車両の転用というのは難しいです。路線や方面に性能を特化できる分、転用が難しいという大きな跳ね返りを負います。
残るキハ283系のほとんどは、2001年に製造された最終増備車で今年で車齢は21年です。在来線の車両からすれば20年はまだまだ使用できる範囲ですが、特急「おおぞら」からの引退時に、長年の高速運転によって車体の傷みが進んでいると報道されていました。
実際に石北特急に転用されれば、特急「おおぞら」使用時からすれば全体的なアベレージスピードは低く、大きな影響はないのかもしれませんが、仮に管理者が日頃から石北特急を利用する立場になって、そうした車体の傷みが進んでいる車両と報道された後に利用するとなれば、何か複雑な気持ちになりますよ。
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