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北海道の鉄道の内容を中心に自身の知識も含めながらブログの記事を日々更新しています。札幌市在住のため、主に札幌圏を走行する列車についての話題です。

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【コラム】留萌本線の留萌〜石狩沼田間廃止報道〜半年後に廃止は可能なのか!?

本日、留萌本線の留萌〜石狩沼田間の廃止報道があり、3年後をめどに残る深川〜石狩沼田間についても廃止へ向けて動き出しているようです。

これにより、JR北海道が路線廃止・バス転換を求めた5区間が全て決着することになります。

今年度の事業計画においても、持続可能な交通体系の構築について、留萌本線の早期の鉄道事業廃止及びバス転換を目指すと明記されており、JR側としても、事業計画の記載内容から、維持していく方針がないことが伺えます。

さて、鉄道事業の廃止に際し、実はルールがあるのです。それは、鉄道事業者が何らかの理由によって、その日に廃止することはできない仕組みになっているのです。

今回の報道によれば、2023年3月に留萌〜石狩沼田間を廃止する方向で調整しているようですが、果たしてこのようなことが可能なのでしょうか?

ここで鉄道事業法を見てみましょう。鉄道事業の廃止については、第二十八条の二に定されています。

まず・・・

鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするときは、廃止の日の一年前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。


このような記載があります。

実際に過去を振り返ると、江差線の木古内〜江差間については、廃止予定日が2014年5月12日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2013年4月26日でした。石勝線の夕張支線については、廃止予定日が2019年4月1日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2018年3月26日でした。

このように、原則として1年以上前に廃止届を提出して路線廃止に至るケースが一般的ですが、例外もあるのです。


2 国土交通大臣は、鉄道事業者が前項の届出に係る廃止を行つた場合における公衆の利便の確保に関し、国土交通省令で定めるところにより、関係地方公共団体及び利害関係人の意見を聴取するものとする。
3 国土交通大臣は、前項の規定による意見聴取の結果、第一項の届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行つたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めるときは、その旨を当該鉄道事業者に通知するものとする。
4 鉄道事業者は、前項の通知を受けたときは、第一項の届出に係る廃止の日を繰り上げることができる。
5 鉄道事業者は、前項の規定により廃止の日を繰り上げるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。



その例外に当たるのが、近年では留萌本線の留萌〜増毛間廃止と日高本線の鵡川〜様似間の廃止でした。

先に廃止された留萌本線の留萌本線の留萌〜増毛間については、廃止予定日が2017年4月29日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2015年8月10日でした。ですが実際は2016年12月5日で廃止となっています。また、日高本線の鵡川〜様似間については、廃止予定日が2021年11月1日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2020年10月27日でした。ですが実際は2021年4月1日で廃止となっています。

このように、一定の条件を満たせば、廃止日の繰り上げが可能なのです。

鉄道事業廃止届提出後、北海道運輸局の主催で意見の聴取が行われます。そこで、JR北海道が廃止日の繰上を実施したい旨の陳述を行います。これを受け、国は鉄道事業法の規定に基づき、路線の廃止を行った場合における公衆の利便の確保に関する意見の聴取を行います。

その結果、廃止日を繰り上げたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認められた場合、廃止日の繰り上げが可能になり、留萌本線の留萌〜増毛間及び、日高本線の鵡川〜様似間の廃止日が繰り上げられたわけです。



これが日高本線の鵡川〜様似間の鉄道事業廃止届の提出に関する資料です。繰り上げ廃止を予定する記載がありました。今回の留萌〜石狩沼田間についてもこれを適用するものと思われます。

廃止繰り上げについては、特に数ヶ月などの明確な日数が定められておらず、先に鉄道事業廃止届を提出し、廃止日の繰り上げを実施したい陳述を行い、代替交通の確保等を実施して準備を整えば、留萌〜石狩沼田間の廃止も繰り上げることができるのでしょう。

同区間は主に留萌市ですが、恵比島駅だけは沼田町に属しており、今後JR北海道と留萌市、沼田町で代替交通の確保等について、意見をまとめていくのでしょう。

留萌本線の廃止について、留萌市については、廃止を容認しており、残るは秩父別町と沼田町になります。深川市も含まれていますが、明確な回答はなかったはずです。深川市からすれば、留萌本線存廃はどうでもよく、要は函館本線が残り、旭川と札幌を結ぶルートさえ確保されていればそれでいいわけですからね。

秩父別町と沼田町については、主に通学を理由に路線廃止に反対の立場で、そこで折り合いがつかず、留萌〜石狩沼田間の部分廃止という形になります。その3年後に深川〜石狩沼田間も廃止する方向で検討しているようですが、いずれにせよ、JR北海道の事業計画に、早期の鉄道事業廃止及びバス転換を目指すと明記されており、こちらも時間の問題になります。

今後順次紹介していきますが、複数の車両の引退もあり、ついには路線の廃止の報道も出ました。北海道の鉄道が一気に変わろうとしています。









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コメント
11631: by ツナ缶 on 2022/07/17 at 00:12:50

1年も経たない前に乗ったことがあり、深川~留萌まで通しで乗ってた人は物好きを除いて8人ぐらいでした(夏休み期間だったため高校生はいませんでしたが)。ただし運転士や留萌駅の駅員の人件費を考えると8人では大赤字なはずです(確か留萌駅には3~4人の駅員さんがいたかな)。
我々鉄道ファンから見ると廃線は残念でなりませんが、企業の経営状況を見ると仕方ないのではと思います。これで少しでも経営がよくなるといいのですが・・・。
大和田付近で1両のキハ54が95km/程出してるのはかなり爽快でしたね・・・。

11632: by 旭アサ on 2022/07/17 at 00:30:15

新聞報道では、「残る3市町が深川市と沼田町間の部分存続を求めた」と書かれてますが、これは記者の勘違いなのですね。ブログの通り、深川市にとってどうでもいいですから。

ところで、沼田町が発案した鉄道ルネッサンス構想は実現しますか?気になりますよね。

11633:意外と早かった?! by 紅の豚親方 on 2022/07/17 at 02:06:14

お久しぶりにコメント致します。
尚今回から、名前が「紅の豚親方」に変わります。

さて本題。
廃止は時間の問題かなって感じでしたが、意外と早かったなって感じですよね。
まぁ今までがダラダラし過ぎたと言えばそうですがねぇ。
さてそうなると次は何処かと気になりますねぇ。
やはり根室線の末端区間の「花咲線」ですかねぇ。

11634: by ナナッシー on 2022/07/17 at 08:54:11

おはようございます
石狩沼田駅までになった場合、終点・始点用のATS設置工事が年内中に行われます。
元々は交換駅でしたが、運転本数が少なくなったため1994年12月に交換設備を撤去しました。

深川から石狩沼田まで3年間だけ残す必要性もあるのかは疑問符が付きますが、1日150人にも満たないのであれば登下校の時間帯に大型バスやマイクロバスでも走らせて利用者の利便性を測ればいいのです。

持続可能な交通を本気で目指すのであれば、民間企業に丸投げするのではなく、行政と民間で共同で第3セクター化(=会社設立)すれば良いです。

バス会社も慈善団体ではなくあくまでも民間企業です。運賃値上げなどして会社の収益になれば乗務員の確保や待遇改善などに発展していき、敷いては会社の存続に繋がるのです。待遇が悪いからどんどん退職していくのです。

11635: by 江東の住人 on 2022/07/17 at 11:26:35

ハッキリ言って廃止の時期が遅すぎます。
本来なら1987年4月1日、いやそれ以前に廃止されるべき区間だった。

この35年間、こんな線区を維持してきたがためにどれだけのカネが無駄遣いされたことか…
他の同様の線区も早期に廃止していれば、相当な金額が節約できたはずです。
それだけの金額があるならば283をもっと大量に増備できて車両整備も余裕があったことだろうし、
線路の強化や保守点検にも不安はなかったでしょう。

どんな会社でもカネは有効に活用しなければならない。
それは会社全体で黒字だろうと赤字だろうと関係ないことです。

留萌本線のように、貨物も特急もなく極小の地域輸送のみ、それも鉄道でなければならない理由を見出すこともできない需要のみの路線…こういう線区を一体何と言えばいいのでしょうか。
一般的には「赤字ローカル線」と呼称してますが、それだと「過疎地の赤字路線」を意味してしまいます。貨物や特急が走っていてもその条件を満たしてしまうので相応しくないかと思います。

いずれにせよ、こういう貨物も特急も走らない極小の地域輸送のみの線区はJRが維持すべき路線とは到底思えません。
そんなところを維持するのは金の無駄遣いでしかない。

11638: by 管理人 on 2022/07/19 at 00:07:37

>>ツナ缶さん、コメントありがとうございます。

確かにインスタでも物好きな人しか乗らないというコメントをもらいました。今後は葬式鉄で賑やかになると思います。

仰っていることのほかに、車両を早朝と深夜は旭川から(まで)回送しなければなりません。夜間滞泊がないので、これもかなり負担になっています。片道は空気輸送で燃料だけ消費していますからね。

そう考えると、現実的に残すのは難しいですよね。

11639: by 管理人 on 2022/07/19 at 00:21:30

>>旭アサさん、コメントありがとうございます。

ルネッサンス構想って考え方が甘いですよね。定期利用者にとってはメリットがたくさんありますが、その定期利用者が確保できなければ意味ありません。札幌圏でやったら利用増進効果は絶大ですよね。

11640: by 管理人 on 2022/07/19 at 00:26:24

>>紅の豚親方さん、コメントありがとうございます。

次は根室本線の富良野〜新得間です。花咲線はクラファンで支援を募ったので、まだ大丈夫なはずですよ。

存廃で議論が進んでいないので長引くかと思いましたが、意外と早期に決着が着きそうです。本来であれば数字は出ているので、早々と廃止にすべきでした。残す理由がないんですよね。

貨物輸送を終えた時点で決着を着けるべきだったと思います。

11641: by 管理人 on 2022/07/19 at 00:39:23

>>ナナッシーさん。、コメントありがとうございます。

自治体って残すべきと主張する割には、運行に関しては携わらないんですよね。数字も出ているので、どう足掻こうと無駄ですが、それを通学等を理由に先延ばしします。

この影響は、地元のバス会社へ影響します。人員が足りないのに、さらに負担になるんです。本来であれば、存続または代替を希望する自治体が整備すれば問題ないんですけどね。

路線の廃止問題は今後増えていきます。仕組みや法を整備しないと大変なことになりおすな気がします。

11642: by 管理人 on 2022/07/19 at 00:45:02

>>江東の住人さん、コメントありがとうございます。

貨物輸送が終わった時点で、もう役目が終わっていたような路線ですよね。

JR北海道もさっさと廃止にすればいいものを、高速化でカバーできると勘違いして、残し続けました。本来であれば国鉄が処理すべきでしたが、民営化されて押しつけられたのです。

鉄道の使命は大量輸送です。数値的に使命は果たせず、役割は終えていると判断して良いでしょう。今後は細かに輸送できるバスの時代です。すぐに終わりそうな気がしますけどね。

11644:沼田町の本音は・・・ by NS on 2022/07/19 at 06:24:52 (コメント編集)

久々にコメントします。

留萌市内の移動は最早沿岸バスの方が便利であり、留萌市内~恵比島という区間需要自体もほぼ皆無なだけに、石狩沼田以西の早期廃線を留萌市が求めるのは至極当然であり、石狩沼田以東についても輸送密度などを見ると
こちらも最早残せという方が無理な路線であることは明らかな状態ではあります。

しかしながら、朝の通学時間帯のダイヤを見ると、沼田町から深川市内の高校への通学(&帰宅時)には空知中央バスは使えず、留萌本線を使うしかない状態になってしまっています。
かといって、空知中央バスが留萌本線廃止後に通学(&帰宅)時間帯の便を再設定できるかとなると、過去の減便の経緯から極めて不透明に思われるだけに、沼田町(&秩父別町)はそこを懸念しているのが、廃止反対姿勢を崩さない本当の理由ではないか?と感じます。

今後は、沼田町が直接
・通学(&帰宅)時間帯限定で沼田町⇔深川市
・日中は沼田町⇔秩父別町(デマンド便を含む)
の便を運行する(日中は秩父別町で沿岸バス等と乗継)のに必要な財政的支援をJRや深川市&秩父別町から得ることを早期に担保することで、廃線の容認につなげるしかないように感じます。

11645: by 龍 on 2022/07/20 at 01:24:40 (コメント編集)

石炭輸送等の廃止に加え、増毛方面よりも直通旅客需要のあった羽幌線が廃止された時点で、こうなるのはもう時間の問題だった。

「SLすずらん号」はドラマ『すずらん』が終わったらそのままフェードアウト。『すずらん』のロケ地となった恵比島駅も、今はほとんど人は来ない。

「増毛ノロッコ号」も大して効果なく、留萌駅〜増毛駅間の廃止と共に終了。

ダメ押しで2020年に深川留萌自動車道が全通。地図を見れば一目瞭然で、留萌本線が勝てる要素はない。これでもう万策尽きた。

11648: by 管理人 on 2022/07/22 at 00:09:43

>>NSさん、コメントありがとうございます。

コメントを読んで札沼線の末端の過去と似たような印象を受けました。

空知中央バス減便の件ですが、かこにバスか鉄道かを一度選択が迫られた時期があったのかな?と、そんな感じがします。ただ、札沼線の場合はジェイアールバスでしたから、そのような選択を迫ったということもあったのかもしれませんが、鉄道を選択してバスを減便した可能性もありますよね。

結果的に札沼線も最後まで鉄道の廃止には反対でした。


今後については、バス会社についても代替バスを用意できる余裕はありませんから、やはり自治体の手によってバスを運行させる方法が適していると思います。

札沼線の場合、廃止後もバスの運行経費については、JRがしばらくの間負担しているはずです。同じように早期に問題を解決させる代わりにバスの購入費用や向こう何年か分の運行経費をJRに負担してもらい、代替手段を確保していくしかないと思います。

いずれこうした不採算路線の廃止が北海道のみならず、日本全国で進んでいくと思います。対応は状況に応じて異なっているので、新たな仕組みや法律の必要性を感じます。

11649: by 管理人 on 2022/07/22 at 00:28:54

>>龍さん、コメントありがとうございます。

SLすずらん号は盛り上がったと思いますが、時間の経過とともにロケ地の恵比島駅も盛り上がらなくなりました。ノロッコ号はほぼ不発で、その後も臨時列車を数回出すもほぼ不発で終わりました。

深川留萌道の効果は大きく、そのほとんどが深川〜留萌の移動なわけで、エコカーの普及等で移動費がさらに抑えられるようになると、ますますマイカーへ移動手段がシフトしていったと思います。深川方面のアクセスよりもやはり札幌とのアクセスが重要ですから、るもい号やはぼろ号といった高速バスに札幌への直通輸送も流れた原因だと思います。

元々旅客輸送よりも石炭や海産物輸送のために敷設された路線です。これが廃止された時点でもう役割を終えていたと思います。

11651: by くろゆぅ on 2022/07/22 at 20:12:50

寮が留萌管内の学生です。いままで帰省には留萌本線を使って深川で乗り換えていました。
それが部分廃止になるなら、留萌駅前〜石狩沼田駅前のようなバス路線を新設するか、道北バス・沿岸バスの留萌旭川線が石狩沼田駅を経由するように変更してほしいと思っています。
全線廃止となるのもそう遠くはないので、先に増便することと、幌延留萌線との乗り継ぎがうまくいかない便もあったのでそこも改善してくれればいいと思います。
留萌滝川線があったら個人的にはすごく利便性がよいので期待しています。
GWの昼間、留萌本線のキハ54単行は、満席立ち客多数で自分はデッキに50分間ずっと立っていたので、繁忙期にはそれだけの人数をバスで対応できるか不安があります。
留萌本線、廃止前に留萌〜深川間乗れて本当に良かったです。
卒業まで動向が大きくなりそうですが、それはそれで楽しめそうです。

11659: by 管理人 on 2022/07/27 at 00:01:00

>>くろゆぅさん、コメントありがとうございます。

このバス転換問題。意外というか、かなり難しい問題に直面していると思います。

沼田町と秩父別町からしたら、留萌方面と深川方面の両方のアクセスの代替について希望するだろうし、留萌市については、先に廃止容認だったので、おそらく深川方面からのアクセスについてはあまり考慮していないというか、高速道路で繋がっているので、万が一鉄道がなくなったとしても、深川とのアクセスだけを主に考慮すればいいので、高速道路があれば十分ですよね。

また、留萌市については、深川方面よりも札幌からのアクセスの方が重要視していると思います。はぼろ号やるもい号とのアクセスと、マイカーによる移動手段の利便が確保されていれば問題ないということなのでしょうね。

単行列車で満席立ち客多数ということですが、どういった目的か気になります。ハイシーズンでただの乗り鉄や観光客だけとなれば、話は変わってきます。仮にそうだとすれば、本当の沿線の利用客だけであれば、バスで対応可能レベルのはずです。

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