【コラム】留萌本線の留萌〜石狩沼田間廃止報道〜半年後に廃止は可能なのか!?
コラム - 2022年07月16日 (土)
本日、留萌本線の留萌〜石狩沼田間の廃止報道があり、3年後をめどに残る深川〜石狩沼田間についても廃止へ向けて動き出しているようです。
これにより、JR北海道が路線廃止・バス転換を求めた5区間が全て決着することになります。
今年度の事業計画においても、持続可能な交通体系の構築について、留萌本線の早期の鉄道事業廃止及びバス転換を目指すと明記されており、JR側としても、事業計画の記載内容から、維持していく方針がないことが伺えます。
さて、鉄道事業の廃止に際し、実はルールがあるのです。それは、鉄道事業者が何らかの理由によって、その日に廃止することはできない仕組みになっているのです。
今回の報道によれば、2023年3月に留萌〜石狩沼田間を廃止する方向で調整しているようですが、果たしてこのようなことが可能なのでしょうか?
ここで鉄道事業法を見てみましょう。鉄道事業の廃止については、第二十八条の二に定されています。
まず・・・
「鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするときは、廃止の日の一年前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。」
このような記載があります。
実際に過去を振り返ると、江差線の木古内〜江差間については、廃止予定日が2014年5月12日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2013年4月26日でした。石勝線の夕張支線については、廃止予定日が2019年4月1日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2018年3月26日でした。
このように、原則として1年以上前に廃止届を提出して路線廃止に至るケースが一般的ですが、例外もあるのです。
「2 国土交通大臣は、鉄道事業者が前項の届出に係る廃止を行つた場合における公衆の利便の確保に関し、国土交通省令で定めるところにより、関係地方公共団体及び利害関係人の意見を聴取するものとする。
3 国土交通大臣は、前項の規定による意見聴取の結果、第一項の届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行つたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めるときは、その旨を当該鉄道事業者に通知するものとする。
4 鉄道事業者は、前項の通知を受けたときは、第一項の届出に係る廃止の日を繰り上げることができる。
5 鉄道事業者は、前項の規定により廃止の日を繰り上げるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。」
その例外に当たるのが、近年では留萌本線の留萌〜増毛間廃止と日高本線の鵡川〜様似間の廃止でした。
先に廃止された留萌本線の留萌本線の留萌〜増毛間については、廃止予定日が2017年4月29日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2015年8月10日でした。ですが実際は2016年12月5日で廃止となっています。また、日高本線の鵡川〜様似間については、廃止予定日が2021年11月1日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2020年10月27日でした。ですが実際は2021年4月1日で廃止となっています。
このように、一定の条件を満たせば、廃止日の繰り上げが可能なのです。
鉄道事業廃止届提出後、北海道運輸局の主催で意見の聴取が行われます。そこで、JR北海道が廃止日の繰上を実施したい旨の陳述を行います。これを受け、国は鉄道事業法の規定に基づき、路線の廃止を行った場合における公衆の利便の確保に関する意見の聴取を行います。
その結果、廃止日を繰り上げたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認められた場合、廃止日の繰り上げが可能になり、留萌本線の留萌〜増毛間及び、日高本線の鵡川〜様似間の廃止日が繰り上げられたわけです。

これが日高本線の鵡川〜様似間の鉄道事業廃止届の提出に関する資料です。繰り上げ廃止を予定する記載がありました。今回の留萌〜石狩沼田間についてもこれを適用するものと思われます。
廃止繰り上げについては、特に数ヶ月などの明確な日数が定められておらず、先に鉄道事業廃止届を提出し、廃止日の繰り上げを実施したい陳述を行い、代替交通の確保等を実施して準備を整えば、留萌〜石狩沼田間の廃止も繰り上げることができるのでしょう。
同区間は主に留萌市ですが、恵比島駅だけは沼田町に属しており、今後JR北海道と留萌市、沼田町で代替交通の確保等について、意見をまとめていくのでしょう。
留萌本線の廃止について、留萌市については、廃止を容認しており、残るは秩父別町と沼田町になります。深川市も含まれていますが、明確な回答はなかったはずです。深川市からすれば、留萌本線存廃はどうでもよく、要は函館本線が残り、旭川と札幌を結ぶルートさえ確保されていればそれでいいわけですからね。
秩父別町と沼田町については、主に通学を理由に路線廃止に反対の立場で、そこで折り合いがつかず、留萌〜石狩沼田間の部分廃止という形になります。その3年後に深川〜石狩沼田間も廃止する方向で検討しているようですが、いずれにせよ、JR北海道の事業計画に、早期の鉄道事業廃止及びバス転換を目指すと明記されており、こちらも時間の問題になります。
今後順次紹介していきますが、複数の車両の引退もあり、ついには路線の廃止の報道も出ました。北海道の鉄道が一気に変わろうとしています。
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これにより、JR北海道が路線廃止・バス転換を求めた5区間が全て決着することになります。
今年度の事業計画においても、持続可能な交通体系の構築について、留萌本線の早期の鉄道事業廃止及びバス転換を目指すと明記されており、JR側としても、事業計画の記載内容から、維持していく方針がないことが伺えます。
さて、鉄道事業の廃止に際し、実はルールがあるのです。それは、鉄道事業者が何らかの理由によって、その日に廃止することはできない仕組みになっているのです。
今回の報道によれば、2023年3月に留萌〜石狩沼田間を廃止する方向で調整しているようですが、果たしてこのようなことが可能なのでしょうか?
ここで鉄道事業法を見てみましょう。鉄道事業の廃止については、第二十八条の二に定されています。
まず・・・
「鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするときは、廃止の日の一年前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。」
このような記載があります。
実際に過去を振り返ると、江差線の木古内〜江差間については、廃止予定日が2014年5月12日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2013年4月26日でした。石勝線の夕張支線については、廃止予定日が2019年4月1日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2018年3月26日でした。
このように、原則として1年以上前に廃止届を提出して路線廃止に至るケースが一般的ですが、例外もあるのです。
「2 国土交通大臣は、鉄道事業者が前項の届出に係る廃止を行つた場合における公衆の利便の確保に関し、国土交通省令で定めるところにより、関係地方公共団体及び利害関係人の意見を聴取するものとする。
3 国土交通大臣は、前項の規定による意見聴取の結果、第一項の届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行つたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めるときは、その旨を当該鉄道事業者に通知するものとする。
4 鉄道事業者は、前項の通知を受けたときは、第一項の届出に係る廃止の日を繰り上げることができる。
5 鉄道事業者は、前項の規定により廃止の日を繰り上げるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。」
その例外に当たるのが、近年では留萌本線の留萌〜増毛間廃止と日高本線の鵡川〜様似間の廃止でした。
先に廃止された留萌本線の留萌本線の留萌〜増毛間については、廃止予定日が2017年4月29日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2015年8月10日でした。ですが実際は2016年12月5日で廃止となっています。また、日高本線の鵡川〜様似間については、廃止予定日が2021年11月1日だったのに対し、鉄道事業廃止届の提出が2020年10月27日でした。ですが実際は2021年4月1日で廃止となっています。
このように、一定の条件を満たせば、廃止日の繰り上げが可能なのです。
鉄道事業廃止届提出後、北海道運輸局の主催で意見の聴取が行われます。そこで、JR北海道が廃止日の繰上を実施したい旨の陳述を行います。これを受け、国は鉄道事業法の規定に基づき、路線の廃止を行った場合における公衆の利便の確保に関する意見の聴取を行います。
その結果、廃止日を繰り上げたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認められた場合、廃止日の繰り上げが可能になり、留萌本線の留萌〜増毛間及び、日高本線の鵡川〜様似間の廃止日が繰り上げられたわけです。

これが日高本線の鵡川〜様似間の鉄道事業廃止届の提出に関する資料です。繰り上げ廃止を予定する記載がありました。今回の留萌〜石狩沼田間についてもこれを適用するものと思われます。
廃止繰り上げについては、特に数ヶ月などの明確な日数が定められておらず、先に鉄道事業廃止届を提出し、廃止日の繰り上げを実施したい陳述を行い、代替交通の確保等を実施して準備を整えば、留萌〜石狩沼田間の廃止も繰り上げることができるのでしょう。
同区間は主に留萌市ですが、恵比島駅だけは沼田町に属しており、今後JR北海道と留萌市、沼田町で代替交通の確保等について、意見をまとめていくのでしょう。
留萌本線の廃止について、留萌市については、廃止を容認しており、残るは秩父別町と沼田町になります。深川市も含まれていますが、明確な回答はなかったはずです。深川市からすれば、留萌本線存廃はどうでもよく、要は函館本線が残り、旭川と札幌を結ぶルートさえ確保されていればそれでいいわけですからね。
秩父別町と沼田町については、主に通学を理由に路線廃止に反対の立場で、そこで折り合いがつかず、留萌〜石狩沼田間の部分廃止という形になります。その3年後に深川〜石狩沼田間も廃止する方向で検討しているようですが、いずれにせよ、JR北海道の事業計画に、早期の鉄道事業廃止及びバス転換を目指すと明記されており、こちらも時間の問題になります。
今後順次紹介していきますが、複数の車両の引退もあり、ついには路線の廃止の報道も出ました。北海道の鉄道が一気に変わろうとしています。
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