キハ143形置き換え用として737系が来春デビュー!!
近郊形電車 - 2022年10月18日 (火)
今年のお盆明けに突如発表されたニュースリリース。今年度の事業計画でワンマン電車の新製が予定されていたので、それが正式に発表された形になります。

新たな形式名が付与され、737系がデビューします。今年の冬から落成が始まり、2両編成×13本の計26両が新製され、2023年春より、室蘭本線の苫小牧〜室蘭間で運行予定です。現時点で所属先が不明であり、札幌直通も実施されるのか不明です。

以前まで、733系の外観で2両編成の車両をあくまでイメージとして資料に掲載されてきましたが、別形式として用意されるというのは驚きです。

色々と詳細を見ていると、一番注目すべきは車体が733系のような軽量ステンレス製ではなく、735系と同じくアルミ合金製となります。これはH5系とも同じです。
アルミ合金製車体の特徴としては、車体外板・内部構体ともに耐食性アルミ合金を使用するため、オールステンレス車両同様に腐食に強いです。また、普通鋼製の車体に比べ大幅な軽量化を実現できます。
もちろん、軽ければいいというわけではありませんが、アルミニウム合金を採用する他の利点としては、連続溶接ができるため、車体の気密保持が充分に確保することができます。高速走行時等は気密性は特に重要であり、特に新幹線車両においては、車体素材にアルミニウム合金が採用されるという理由にも納得です。
一方、材質の関係上、製造費用が高価になりやすく、補修や修繕が非常に困難であり、修理を実施するにも高度な技術を要します。3月に福島県沖で発生した地震で脱線したH5系では、車体の歪みその他箇所においても修繕不可と判断されて廃車になりました。こうした災害時において、車体への損傷となれば、加工が難しいアルミ合金製車体は不利になります。
ほかにも、従来のキハ143形と比べて低床化によって19㎝低床化され、乗降口のステップをなくす等、バリアフリー化が図られます。最高速度も120km/hに向上し、電車化もあって所要時間短縮の実現が予想されます。
現状、室蘭本線の苫小牧〜室蘭間においては、電化区間であるにも関わらず、電車による定期列車は特急「すずらん」6往復のみです。特急「北斗」は気動車なのはもちろん、普通列車も全て気動車なのです。キハ143形によるワンマン運転実施前は711系が主に使用されていましたが、それ以降10年にわたって、電化区間ながら、電化設備の使用頻度が少ないという状況が生じていました。
今年の2月9日のJR北海道のニュースリリースに、『長期環境目標「JR北海道グループ カーボンニュートラル2050」の策定について』という資料が発表されました。
「カーボンニュートラル」ですが、意味としては、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。なので、電化設備がある以上、これを有効活用するほかはなく、将来的に電化路線内で運行区間が完結する列車については、電車化されることは目に見えていました。
キハ143形は2両編成×5本の計10両ですが、倍以上投入して車両を置き換えます。ということは、車両の送り込み等の事由がない限り、苫小牧〜室蘭間の普通列車は原則として737系に置き換えられる可能性が高く、混雑が発生しやすい通勤時間帯などはこれまで実現できなかった増結運転も可能になるのではと予想しています。


車両のエクステリア、インテリアの様子を見ると、詳細は後日別記事で紹介していきたいと思いますが、JR北海道らしい車両には感じず、前面が黒いので九州の車両にも見えてきます。管理者としては非常に残念な点が多く、継承という意味では、内装ぐらいしかそれが表れていませんよね。
ただ、この737系をベースに、例えば置き換え計画にある快速「エアポート」用車両などへのバリエーションの拡充など、新たな門出となるものと思って期待しています。


元々は50系客車で、改造を経て心臓がほぼキハ150形に生まれ変わったキハ143形。車齢を考えるともう限界です。よくここまで長持ちしたと感心しますよ。
室蘭本線転用後は車体の劣化、特に車体への鉄粉の付着量が多くなり、日々疲れた状態でした。
2012年に学園都市線(札幌〜北海道医療大学間)が電化の際、車体を共用するキハ141形、キハ142形、そして中間付随車のキサハ144形は廃車になりました。動力機関をもつキハ141形、キハ142形との違いは、心臓部分がキハ150形であり、台車も変更されていること、そして冷房車であることです。
近年のキハ40形の置き換えについても、冷房装置の搭載の有無で生き残るか否か分かれていますが、10年前にも同じようなことがあったようです。新たにワンマン化されて室蘭本線に転用。およそ10年にわたって活躍しました。
JR北海道初のワンマン電車。とりあえず実車の登場が待ち遠しいです。
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新たな形式名が付与され、737系がデビューします。今年の冬から落成が始まり、2両編成×13本の計26両が新製され、2023年春より、室蘭本線の苫小牧〜室蘭間で運行予定です。現時点で所属先が不明であり、札幌直通も実施されるのか不明です。

以前まで、733系の外観で2両編成の車両をあくまでイメージとして資料に掲載されてきましたが、別形式として用意されるというのは驚きです。

色々と詳細を見ていると、一番注目すべきは車体が733系のような軽量ステンレス製ではなく、735系と同じくアルミ合金製となります。これはH5系とも同じです。
アルミ合金製車体の特徴としては、車体外板・内部構体ともに耐食性アルミ合金を使用するため、オールステンレス車両同様に腐食に強いです。また、普通鋼製の車体に比べ大幅な軽量化を実現できます。
もちろん、軽ければいいというわけではありませんが、アルミニウム合金を採用する他の利点としては、連続溶接ができるため、車体の気密保持が充分に確保することができます。高速走行時等は気密性は特に重要であり、特に新幹線車両においては、車体素材にアルミニウム合金が採用されるという理由にも納得です。
一方、材質の関係上、製造費用が高価になりやすく、補修や修繕が非常に困難であり、修理を実施するにも高度な技術を要します。3月に福島県沖で発生した地震で脱線したH5系では、車体の歪みその他箇所においても修繕不可と判断されて廃車になりました。こうした災害時において、車体への損傷となれば、加工が難しいアルミ合金製車体は不利になります。
ほかにも、従来のキハ143形と比べて低床化によって19㎝低床化され、乗降口のステップをなくす等、バリアフリー化が図られます。最高速度も120km/hに向上し、電車化もあって所要時間短縮の実現が予想されます。
現状、室蘭本線の苫小牧〜室蘭間においては、電化区間であるにも関わらず、電車による定期列車は特急「すずらん」6往復のみです。特急「北斗」は気動車なのはもちろん、普通列車も全て気動車なのです。キハ143形によるワンマン運転実施前は711系が主に使用されていましたが、それ以降10年にわたって、電化区間ながら、電化設備の使用頻度が少ないという状況が生じていました。
今年の2月9日のJR北海道のニュースリリースに、『長期環境目標「JR北海道グループ カーボンニュートラル2050」の策定について』という資料が発表されました。
「カーボンニュートラル」ですが、意味としては、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。なので、電化設備がある以上、これを有効活用するほかはなく、将来的に電化路線内で運行区間が完結する列車については、電車化されることは目に見えていました。
キハ143形は2両編成×5本の計10両ですが、倍以上投入して車両を置き換えます。ということは、車両の送り込み等の事由がない限り、苫小牧〜室蘭間の普通列車は原則として737系に置き換えられる可能性が高く、混雑が発生しやすい通勤時間帯などはこれまで実現できなかった増結運転も可能になるのではと予想しています。


車両のエクステリア、インテリアの様子を見ると、詳細は後日別記事で紹介していきたいと思いますが、JR北海道らしい車両には感じず、前面が黒いので九州の車両にも見えてきます。管理者としては非常に残念な点が多く、継承という意味では、内装ぐらいしかそれが表れていませんよね。
ただ、この737系をベースに、例えば置き換え計画にある快速「エアポート」用車両などへのバリエーションの拡充など、新たな門出となるものと思って期待しています。


元々は50系客車で、改造を経て心臓がほぼキハ150形に生まれ変わったキハ143形。車齢を考えるともう限界です。よくここまで長持ちしたと感心しますよ。
室蘭本線転用後は車体の劣化、特に車体への鉄粉の付着量が多くなり、日々疲れた状態でした。
2012年に学園都市線(札幌〜北海道医療大学間)が電化の際、車体を共用するキハ141形、キハ142形、そして中間付随車のキサハ144形は廃車になりました。動力機関をもつキハ141形、キハ142形との違いは、心臓部分がキハ150形であり、台車も変更されていること、そして冷房車であることです。
近年のキハ40形の置き換えについても、冷房装置の搭載の有無で生き残るか否か分かれていますが、10年前にも同じようなことがあったようです。新たにワンマン化されて室蘭本線に転用。およそ10年にわたって活躍しました。
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