28年間ありがとう!!「スーパー北斗」で活躍したキハ281系が運行終了
キハ281系 - 2022年10月23日 (日)
1994年に札幌〜函館間の「スーパー北斗」として華々しくデビューを飾ったキハ281系。
本日、臨時「スーパー北斗」の運行をもって、28年にわたる活躍を終えました。


ラストは2箇所で撮影してきました。どのポイントも撮影者が多かったです。それだけ注目されていた車両ということだと思います。
試作車が登場したのは1992年。前年に札幌〜函館間の高速化工事が完成し、JR四国の2000系気動車をベースに登場しました。JR北海道として初の制御つき自然振り子式車両であり、これは発展型となるキハ283系へと継承されました。
日本国内において、気動車列車の営業運転で最高運転速度130km/hを初めて実施した車両です。当時の最速達列車は東室蘭駅のみ、あるいは東室蘭駅と苫小牧駅だけを停車とし、それ以外の全ての駅を通過としたうえで、札幌〜函館間の所要時間は、従来の3時間29分から2時間59分へ、表定速度106.8km/hを記録しました。
この数値は在来線において未だに破られてはいないはずで、並いる電車特急をも寄せつけず、この表定速度を超えるのは新幹線しか存在しませんでした。
その他の列車についても、日中の列車を中心に表定速度100km/h以上を記録しました。「スーパー北斗」の当初の目的は、函館と道央圏を高速で結ぶことに念頭が置かれていたため、当時存在していなかった新函館北斗駅を除く、五稜郭駅、大沼公園駅、森駅、八雲駅、長万部駅については、「スーパー北斗」は通過することが多く、また洞爺駅と伊達紋別駅については、時間帯によって一方が停車、一方が通過というスタイルとなっていました。年数が経過し、次第に特急「北斗」を置き換えていくと、それに応じて停車駅が増やされていき、これが一部列車で2007年10月ダイヤ改正まで続いていました。
大きな転機が訪れたのが、やはり2013年11月ダイヤ改正です。JR北海道にとって車両メンテナンス確保のため、減速運転及び減便が実施されました。キハ281系については、最高速度が130km/hから120km/hに落とされました。当時、特急「北斗14号」が八雲駅周辺で出火事故を発生させていたため、同型のエンジンを搭載するキハ183系は使用停止となりました。特急「北斗」については、定期列車が運行できない状況になり、毎日運転の臨時の「北斗」を2往復設定し、定期列車はキハ281系による「スーパー北斗」5往復となりました。
振り子式で部品数が多く、予備車両も少ない中、キハ281系は奮闘し、翌年の特急「北斗」復活まで札幌〜函館間の輸送を担いました。ただ、予備車両が少なく、増結も実施できなかったため、本数削減の影響もあり、繁忙期輸送が壊滅的になりました。
北海道新幹線開業後もしばらく5往復運転は維持しましたが、2019年3月ダイヤ改正で2往復がキハ261系に置き換えられました。置き換えに伴う廃車は発生せず、残った3往復の増結用車両として活用する方針としました。
2020年3月でついに「スーパー北斗」の名称が廃止されて「北斗」になり、今年9月まで活躍しました。
そしてラストのこの2日間、臨時列車であるものの「スーパー北斗」を最後に復活運行させ、28年の運転に幕を下ろしました。
全27両がほぼ最後まで活躍しました。発展系となるキハ283系が全63両に対して両数が少ないのは、早々と製造がキハ283系に移行したためであり、1998年に「スーパー北斗」が増発した際は、キハ283系が新たに投入されました。
キハ281系は最後の最後まで試作車が定期列車で使用された珍しい形式です。通常、試作車というのは設備上特殊な場合が多く、量産車に対して一足先に運行を終了して廃車になる場合が多いですが、2006年に試作車も量産車化改造を実施しているようで、試作車についても最後まで活躍しました。そのうち、「キハ281-901」については、登場当時の外装に復刻しました。

北海道の鉄道の高速化に大きく貢献したキハ281系。先頭部を「げんこつスタイル」と言いますが、これが最新のキハ261系にも受け継がれています。デザインについて後日取り上げていきたいと思いますが、この統一性のあるデザインはやはり凄いのです。JR北海道の特急車両のブランドアイデンティティそのものでした。
デザインだけでなく、元々は日高本線で発生した踏切事故の教訓としてこの構造が採用されたのです。当該踏切事故では、運転士が両足切断という重症を負いました。こうした万が一の事故の際において運転士を保護することを主目的に採用されたデザインであり、決してデザインありきではなく、機能性も確保しているのです。
札幌〜函館間の高速化のみならず、後の特急車両にも大きな影響を与えたキハ281系。残念ながら現時点で保存予定はなく、全27両が廃車となる予定で、一部では五稜郭で解体作業が始まっています。

後継となるのはキハ261系1000番台。おそらく、北海道新幹線札幌延伸までの活躍となりますが、キハ281系同様、愛される車両に日々成長してほしいと思います。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村
本日、臨時「スーパー北斗」の運行をもって、28年にわたる活躍を終えました。


ラストは2箇所で撮影してきました。どのポイントも撮影者が多かったです。それだけ注目されていた車両ということだと思います。
試作車が登場したのは1992年。前年に札幌〜函館間の高速化工事が完成し、JR四国の2000系気動車をベースに登場しました。JR北海道として初の制御つき自然振り子式車両であり、これは発展型となるキハ283系へと継承されました。
日本国内において、気動車列車の営業運転で最高運転速度130km/hを初めて実施した車両です。当時の最速達列車は東室蘭駅のみ、あるいは東室蘭駅と苫小牧駅だけを停車とし、それ以外の全ての駅を通過としたうえで、札幌〜函館間の所要時間は、従来の3時間29分から2時間59分へ、表定速度106.8km/hを記録しました。
この数値は在来線において未だに破られてはいないはずで、並いる電車特急をも寄せつけず、この表定速度を超えるのは新幹線しか存在しませんでした。
その他の列車についても、日中の列車を中心に表定速度100km/h以上を記録しました。「スーパー北斗」の当初の目的は、函館と道央圏を高速で結ぶことに念頭が置かれていたため、当時存在していなかった新函館北斗駅を除く、五稜郭駅、大沼公園駅、森駅、八雲駅、長万部駅については、「スーパー北斗」は通過することが多く、また洞爺駅と伊達紋別駅については、時間帯によって一方が停車、一方が通過というスタイルとなっていました。年数が経過し、次第に特急「北斗」を置き換えていくと、それに応じて停車駅が増やされていき、これが一部列車で2007年10月ダイヤ改正まで続いていました。
大きな転機が訪れたのが、やはり2013年11月ダイヤ改正です。JR北海道にとって車両メンテナンス確保のため、減速運転及び減便が実施されました。キハ281系については、最高速度が130km/hから120km/hに落とされました。当時、特急「北斗14号」が八雲駅周辺で出火事故を発生させていたため、同型のエンジンを搭載するキハ183系は使用停止となりました。特急「北斗」については、定期列車が運行できない状況になり、毎日運転の臨時の「北斗」を2往復設定し、定期列車はキハ281系による「スーパー北斗」5往復となりました。
振り子式で部品数が多く、予備車両も少ない中、キハ281系は奮闘し、翌年の特急「北斗」復活まで札幌〜函館間の輸送を担いました。ただ、予備車両が少なく、増結も実施できなかったため、本数削減の影響もあり、繁忙期輸送が壊滅的になりました。
北海道新幹線開業後もしばらく5往復運転は維持しましたが、2019年3月ダイヤ改正で2往復がキハ261系に置き換えられました。置き換えに伴う廃車は発生せず、残った3往復の増結用車両として活用する方針としました。
2020年3月でついに「スーパー北斗」の名称が廃止されて「北斗」になり、今年9月まで活躍しました。
そしてラストのこの2日間、臨時列車であるものの「スーパー北斗」を最後に復活運行させ、28年の運転に幕を下ろしました。
全27両がほぼ最後まで活躍しました。発展系となるキハ283系が全63両に対して両数が少ないのは、早々と製造がキハ283系に移行したためであり、1998年に「スーパー北斗」が増発した際は、キハ283系が新たに投入されました。
キハ281系は最後の最後まで試作車が定期列車で使用された珍しい形式です。通常、試作車というのは設備上特殊な場合が多く、量産車に対して一足先に運行を終了して廃車になる場合が多いですが、2006年に試作車も量産車化改造を実施しているようで、試作車についても最後まで活躍しました。そのうち、「キハ281-901」については、登場当時の外装に復刻しました。

北海道の鉄道の高速化に大きく貢献したキハ281系。先頭部を「げんこつスタイル」と言いますが、これが最新のキハ261系にも受け継がれています。デザインについて後日取り上げていきたいと思いますが、この統一性のあるデザインはやはり凄いのです。JR北海道の特急車両のブランドアイデンティティそのものでした。
デザインだけでなく、元々は日高本線で発生した踏切事故の教訓としてこの構造が採用されたのです。当該踏切事故では、運転士が両足切断という重症を負いました。こうした万が一の事故の際において運転士を保護することを主目的に採用されたデザインであり、決してデザインありきではなく、機能性も確保しているのです。
札幌〜函館間の高速化のみならず、後の特急車両にも大きな影響を与えたキハ281系。残念ながら現時点で保存予定はなく、全27両が廃車となる予定で、一部では五稜郭で解体作業が始まっています。

後継となるのはキハ261系1000番台。おそらく、北海道新幹線札幌延伸までの活躍となりますが、キハ281系同様、愛される車両に日々成長してほしいと思います。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

- 関連記事
-
-
キハ281系が順次苗穂工場に入場 2023/04/19
-
28年間ありがとう!!「スーパー北斗」で活躍したキハ281系が運行終了 2022/10/23
-
キハ281系による特急「北斗」定期運行終了 2022/09/30
-