既に絶滅寸前になっているキハ183系のV型12気筒エンジン「DML30HSJ」
キハ183系 - 2022年11月22日 (火)
終焉が近づいているキハ183系。
車両そのものが既に絶滅危惧種ですが、残っている車両の中でもやはり注目すべきは、大出力機関を搭載した車両。実は残っている全車両が全て同じエンジンを搭載しているわけではないのです。
キハ183系は登場時期や改造によって、エンジンの種類がさまざまです。その中でも題名のとおり、車好きでも目を引くV型12気筒エンジン搭載車が残っているのです。


コロナ禍になる前までは毎年1回実施されていた苗穂工場の一般公開。鉄道車両に搭載されているエンジンも見物できます。
今回紹介するのは「DML30HSJ」。キハ183系の500番台や550番台に採用したエンジンです。
出力は(550 PS / 2,000 rpm)です。エンジン単体だと、最新のキハ261系のものより出力が大きいのです。当時は高速化も意識し始めた時代で、しかも0番台に比べて車体の板厚を薄くし、軽量化を図ったこともあって、この出力向上がより高速化に繋がりました。
自動車でもこのV12エンジンを搭載する車種は少なくなりました。一部のフェラーリ、ランボルギーニ、ロールス・ロイスなどでしょうか?日本車でも先代のトヨタ・センチュリーも該当しましたが、モデルチェンジを機に、V8ハイブリッドへと切り替わりました。ベンツのSクラスも先代まではV12エンジン搭載だった気がしますが、現在はV6ターボにマイルドハイブリッドの組み合わせだったと思います。
生産コストや大きさ、重量、燃費などの環境性能を意識しなければいけない時代に残るには難しいエンジンなのです。

搭載車の一例がコチラ。
現在は中間車のみで、「キハ182-502」、「キハ182-508」、「キロ182-504」、「キロ182-505」の4両のみのはずです。
出力を求めるとこの気筒数というのは増えます。出力を得るために燃料をより多く燃焼させる必要があるからです。気筒数を増やすほど、1回の燃焼サイクルで同時に燃料を燃やすことができる気筒数が増え、高出力化に繋がります。
ただ、シリンダーを直列に配置して直列12気筒とすることも可能ですが、搭載スペースに限りがある関係で、基本的にはそれは採用されていません。12気筒の場合は直列に6気筒ずつを配置してその問題点を解消しています。というか、自動車の場合はそれがルールのようなものです。
もちろん出力だけではなく、振動が少なく、エンジンの回転も綺麗に回ります。自動車で言えば、燃料や開発コストはかかるものの、ハイブリッドや電気自動車にはない滑らかな世界を堪能することができます。
しかし、昨今は環境問題等の問題があり、上記のとおり、気筒数が多いために燃料の消費は多いため、今の時代はやはり敬遠されてしまいます。であれば、より静かで滑らかな電気自動車・・・ということになってきます。
鉄道においても、やがては完全電動化の時代がやってくるでしょう。札幌と釧路間1往復を余裕で走れる電気で走る鉄道車両が登場するのかもしれません。現時点においても、完全な従来方式の気動車として製造する場合でも、出力はここまで上げなくても、エンジンはコンパクトになり、排気量を小さくしたまま高出力化が可能になりました。
キハ261系のように、そこそこ出力のあるエンジンを1車両に2機搭載して全体で出力を向上させて電車並みの走りを手に入れる時代です。
また、H100形のように、モーターを介して動力を得る車両も登場しているので、こうした大出力多気筒エンジンというのは、もはや時代にそぐわず、消滅せざるを得ないでしょう。
4両のみとなってしまいましたが、まだまだ体験できるチャンスはあります。キハ283系置き換え前に北海道の鉄道車両で最後のV12エンジンを体感してみてはいかがでしょうか?
写真のグリーン車であれば、キハ283系ではおそらくグリーン車はないはずなので、石北特急としては、最後のV12エンジン且つ最後のグリーン車を堪能することができます。特にグリーン車はハイデッカータイプで床が高いので眺めが最高です。
ぜひ一度ご体感あれ!!
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車両そのものが既に絶滅危惧種ですが、残っている車両の中でもやはり注目すべきは、大出力機関を搭載した車両。実は残っている全車両が全て同じエンジンを搭載しているわけではないのです。
キハ183系は登場時期や改造によって、エンジンの種類がさまざまです。その中でも題名のとおり、車好きでも目を引くV型12気筒エンジン搭載車が残っているのです。


コロナ禍になる前までは毎年1回実施されていた苗穂工場の一般公開。鉄道車両に搭載されているエンジンも見物できます。
今回紹介するのは「DML30HSJ」。キハ183系の500番台や550番台に採用したエンジンです。
出力は(550 PS / 2,000 rpm)です。エンジン単体だと、最新のキハ261系のものより出力が大きいのです。当時は高速化も意識し始めた時代で、しかも0番台に比べて車体の板厚を薄くし、軽量化を図ったこともあって、この出力向上がより高速化に繋がりました。
自動車でもこのV12エンジンを搭載する車種は少なくなりました。一部のフェラーリ、ランボルギーニ、ロールス・ロイスなどでしょうか?日本車でも先代のトヨタ・センチュリーも該当しましたが、モデルチェンジを機に、V8ハイブリッドへと切り替わりました。ベンツのSクラスも先代まではV12エンジン搭載だった気がしますが、現在はV6ターボにマイルドハイブリッドの組み合わせだったと思います。
生産コストや大きさ、重量、燃費などの環境性能を意識しなければいけない時代に残るには難しいエンジンなのです。

搭載車の一例がコチラ。
現在は中間車のみで、「キハ182-502」、「キハ182-508」、「キロ182-504」、「キロ182-505」の4両のみのはずです。
出力を求めるとこの気筒数というのは増えます。出力を得るために燃料をより多く燃焼させる必要があるからです。気筒数を増やすほど、1回の燃焼サイクルで同時に燃料を燃やすことができる気筒数が増え、高出力化に繋がります。
ただ、シリンダーを直列に配置して直列12気筒とすることも可能ですが、搭載スペースに限りがある関係で、基本的にはそれは採用されていません。12気筒の場合は直列に6気筒ずつを配置してその問題点を解消しています。というか、自動車の場合はそれがルールのようなものです。
もちろん出力だけではなく、振動が少なく、エンジンの回転も綺麗に回ります。自動車で言えば、燃料や開発コストはかかるものの、ハイブリッドや電気自動車にはない滑らかな世界を堪能することができます。
しかし、昨今は環境問題等の問題があり、上記のとおり、気筒数が多いために燃料の消費は多いため、今の時代はやはり敬遠されてしまいます。であれば、より静かで滑らかな電気自動車・・・ということになってきます。
鉄道においても、やがては完全電動化の時代がやってくるでしょう。札幌と釧路間1往復を余裕で走れる電気で走る鉄道車両が登場するのかもしれません。現時点においても、完全な従来方式の気動車として製造する場合でも、出力はここまで上げなくても、エンジンはコンパクトになり、排気量を小さくしたまま高出力化が可能になりました。
キハ261系のように、そこそこ出力のあるエンジンを1車両に2機搭載して全体で出力を向上させて電車並みの走りを手に入れる時代です。
また、H100形のように、モーターを介して動力を得る車両も登場しているので、こうした大出力多気筒エンジンというのは、もはや時代にそぐわず、消滅せざるを得ないでしょう。
4両のみとなってしまいましたが、まだまだ体験できるチャンスはあります。キハ283系置き換え前に北海道の鉄道車両で最後のV12エンジンを体感してみてはいかがでしょうか?
写真のグリーン車であれば、キハ283系ではおそらくグリーン車はないはずなので、石北特急としては、最後のV12エンジン且つ最後のグリーン車を堪能することができます。特にグリーン車はハイデッカータイプで床が高いので眺めが最高です。
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