北海道新幹線の札幌〜新函館北斗間の開業時期を「白紙」へ
北海道新幹線 - 2022年12月12日 (月)
今回は残念なニュース。
先日全国報道にもなった北海道新幹線関連の話題。残念ながら、札幌〜新函館北斗間の開業時期が「白紙」になってしまいました。

写真の撮影場所は新函館北斗駅。2016年3月についに新幹線が道南までやってきました。北海道新幹線はやはり札幌まで延伸しないと効果を発揮しません。
理由は、いくら本州から新幹線が北海道にやってきた、東京と北海道が新幹線で一本で結ばれたとはいえ、その移動が現実的ではないからです。北海道の場合だと、やはり札幌と新函館北斗のシェアの方が圧倒的に多くなることが予想されます。
そうして、札幌延伸開業が待ち遠しい昨今ですが、残念ながら、物価の上昇や工事の難航により、現時点で既に数年程度の遅れが発生しているのです。
予定では、2030年度末の延伸開業を目指していますが、工区によっては3〜4年程度の遅れも発生していることから、早くても2035年ぐらいになってしまうのではないでしょうか?
一番の問題が事業費の大幅な増加であり、当初の1兆6700億円から6450億円増加とあります。これは、物価上昇と消費税の増税、発生土運搬処理や地質不良箇所の補強、設計基準や工事ガイドライン、労務環境変化対応、環境設備等の対応が事業費増加の主な理由です。
一方工程面では、倶知安付近の羊蹄トンネルにおいて、シールドマシンが巨大岩塊にぶち当たり、岩塊を砕くために回り込んで別のトンネルを掘って作業をしたり、発生土の受け入れ確保が難航し、これによって工事自体も遅延しています。
こうした状況から、確定的に工期を見通すことは難しいという判断です。
札幌〜新函館北斗間のルートは、多岐にわたって噴火を繰り返す有珠山を回避するためのルートです。また、現在の特急「北斗」のように、苫小牧や室蘭を経由するルートになれば、地形はよく、おそらく工事も順調に進むでしょう。ただし距離が増えてしまい、所要時間も増えてしまいます。有珠山を回避し、且つ最短ルートで札幌を結ぶには現在建設中のルートしかないのです。
これによって、札幌〜新函館北斗間は、所要時間が速達タイプの新幹線で1時間05分程度とされています。過去の「スーパー北斗」の速達タイプの列車よりもおよそ2時間程度早い計算です。
そうなると、費用という問題を除けば、他の公共交通を圧倒し、シェアNo,1になるでしょう。北海道新幹線は札幌延伸で威力を発揮するだけに、ここでの「白紙」は大きなダメージです。
2018年の北海道胆振東部地震の際も、いち早く北海道新幹線は復旧し、新幹線が道内と本州のほぼ全ての旅客輸送をカバーしました。災害にも強いということがここで証明され、北海道の場合は冬季における輸送においても、航空機が軒並み欠航になった際も新幹線の必要性を強く感じました。
単に道内と本州を結ぶ移動手段ではなく、移動手段の可能性の拡大、災害時における輸送の確保等、北海道新幹線には担うべき使命があります。工期の延期等は仕方ありませんが、必ずや札幌延伸は実現してほしいと思います。
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先日全国報道にもなった北海道新幹線関連の話題。残念ながら、札幌〜新函館北斗間の開業時期が「白紙」になってしまいました。

写真の撮影場所は新函館北斗駅。2016年3月についに新幹線が道南までやってきました。北海道新幹線はやはり札幌まで延伸しないと効果を発揮しません。
理由は、いくら本州から新幹線が北海道にやってきた、東京と北海道が新幹線で一本で結ばれたとはいえ、その移動が現実的ではないからです。北海道の場合だと、やはり札幌と新函館北斗のシェアの方が圧倒的に多くなることが予想されます。
そうして、札幌延伸開業が待ち遠しい昨今ですが、残念ながら、物価の上昇や工事の難航により、現時点で既に数年程度の遅れが発生しているのです。
予定では、2030年度末の延伸開業を目指していますが、工区によっては3〜4年程度の遅れも発生していることから、早くても2035年ぐらいになってしまうのではないでしょうか?
一番の問題が事業費の大幅な増加であり、当初の1兆6700億円から6450億円増加とあります。これは、物価上昇と消費税の増税、発生土運搬処理や地質不良箇所の補強、設計基準や工事ガイドライン、労務環境変化対応、環境設備等の対応が事業費増加の主な理由です。
一方工程面では、倶知安付近の羊蹄トンネルにおいて、シールドマシンが巨大岩塊にぶち当たり、岩塊を砕くために回り込んで別のトンネルを掘って作業をしたり、発生土の受け入れ確保が難航し、これによって工事自体も遅延しています。
こうした状況から、確定的に工期を見通すことは難しいという判断です。
札幌〜新函館北斗間のルートは、多岐にわたって噴火を繰り返す有珠山を回避するためのルートです。また、現在の特急「北斗」のように、苫小牧や室蘭を経由するルートになれば、地形はよく、おそらく工事も順調に進むでしょう。ただし距離が増えてしまい、所要時間も増えてしまいます。有珠山を回避し、且つ最短ルートで札幌を結ぶには現在建設中のルートしかないのです。
これによって、札幌〜新函館北斗間は、所要時間が速達タイプの新幹線で1時間05分程度とされています。過去の「スーパー北斗」の速達タイプの列車よりもおよそ2時間程度早い計算です。
そうなると、費用という問題を除けば、他の公共交通を圧倒し、シェアNo,1になるでしょう。北海道新幹線は札幌延伸で威力を発揮するだけに、ここでの「白紙」は大きなダメージです。
2018年の北海道胆振東部地震の際も、いち早く北海道新幹線は復旧し、新幹線が道内と本州のほぼ全ての旅客輸送をカバーしました。災害にも強いということがここで証明され、北海道の場合は冬季における輸送においても、航空機が軒並み欠航になった際も新幹線の必要性を強く感じました。
単に道内と本州を結ぶ移動手段ではなく、移動手段の可能性の拡大、災害時における輸送の確保等、北海道新幹線には担うべき使命があります。工期の延期等は仕方ありませんが、必ずや札幌延伸は実現してほしいと思います。
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