函館本線の豊沼駅構内で特急「ライラック2号」と除雪車(ホイールローダー)が接触
輸送障害 - 2022年12月15日 (木)
本日6時03分ごろ、JR函館本線の豊沼駅構内において、札幌に向かって走行中だった特急「ライラック2号」が除雪車(ホイールローダー)が接触しました。

先程資料も発表されました。
題名には接触と記載しましたが・・・

向こうが除雪ということもあり、先頭部分の鋼体の左側が損傷しました。当該車両は789系0番台HE–106編成+HE–206編成です。このうちの札幌方先頭車「クハ789–206」と接触しました。
この6両編成は、2010年の東北新幹線新青森延伸開業に伴って増備された車両です。車齢12年で789系の中で一番新しい車両です。車齢を考えるとまだまだこれから・・・という車両なだけに、果たして復活できるのか気になるところです。
789系だからこの程度で済んでいるのです。衝撃痕を確認してみると、低運転台構造の721系や733系、キハ183系だと運転席がもろに直撃し、運転士は最悪死亡していたでしょう。789系に救われた例は今回で2例目で、1回目は2010年1月29日にL特急「スーパーカムイ24号」が走行中にダンプカーと衝突しました。
乗員乗客が負傷したこの鉄道事故では、使用車両が共通化していた785系だったら運転士は即死だったでしょう。今回も逆に特急「ライラック2号」で発生して最悪の事態は免れました。
先にTwitterの方で情報を流し、色々とコメントをいただいていますが、こうした事故に備えて、基本的に鉄道車両の先頭部分は鋼製となっています。ただし今回の場合はその事故の想定を超えているので、修繕対応できるのか気になるところです。
コメントでは、板金して修繕できるや、苗穂工場で余剰となっている付属編成の車両と交換してこちらを廃車にする等の意見もありました。前回のL特急「スーパーカムイ24号」のように、脱線せずに台枠の歪みもおそらくなさそうなので、修繕して対応するのが現実的ではないでしょうか?
有識者によれば、先頭部は鋼製なので、溶断して新しい先頭部をつくって溶接し直す方法があるようです。また、車体は仮に修繕できたとしても、大きな衝撃で、電装系についてはいずれにしても総取替になる可能性が高く、実際に事故車両をみても、衝撃があった左側の前照灯はついておらず、右側も一部しかついていません。規定以上の衝撃でプリント基盤でダメージを受けている可能性があるようです。
このあたりは、今後調査してみないとわかりません。
あと気になる点がいくつかありますので、1つずつみていきましょう。
【①接触した除雪車は外注の除雪作業車】
今回接触した除雪車(ホイールローダー)は、実はJR北海道が発注した工事に使用されている機械です。駅前広場の除雪で主に使用されており、今回は豊沼駅構内で除雪作業を実施していました。
ただ、駅前広場と実際に特急「ライラック2号」と接触した場所は離れており、なぜ除雪車がその場所にいたのかは調査中です。
以前から同じ業者に外注していたのかは不明ですが、昨冬にJR北海道から説明があったとおり、ドカ雪で列車の運行ができなくなったからといって、基本的には誰しもがその除雪作業を実施できるわけではありません。危険を伴うため、一定の知識を持ち、教育を受けた者だけが除雪作業を実施できるというルールがありました。
今回はまさにそれが裏目に出た結果です。
もちろん、一定の知識や教育は習得していたと思います。ここからはあくまで管理者の推測ですが、例えば請け負っていた除雪作業が想定された時間よりも早く終わり、善良な気持ちで他の箇所も・・・と思って除雪作業を実施していたら、特急「ライラック2号」が来てしまったという感じでしょうか?
善良心が裏目に出ることは多々あります。いずれにしても今回の事象を確認していると、危険を伴うため、やはりそういった善良心が仮にあったとしても、予定外や規定外のことは危険が伴うため、してはならないことになってしまいます。
除雪作業は本来、豊沼駅前広場を主に行うはずですが、今回は予定していない線路付近で作業していました。JR北海道の会見では、線路脇に雪を積んでいたか、線路に近い位置のホームに雪をどけようとしていたかのどちらかの見解を示しています。
【②除雪車のドライバーが80代男性】
あまり大きく触れられていませんが、実は除雪車に乗っていたドライバーが80代の男性です。大きなホイールローダーを操縦できることから、常日頃から乗用車や大型機械を乗り、免許更新時も適性検査をパスしてきたベテランの方だと思います。
しかし、近年特に高齢者による逆走や交通事故が多く発生しており、世間的に高齢者ドライバーのイメージは良くありません。仮に問題なく運転、操縦できていたとしても、やはり高齢は1つの問題要因として取り上げなければなりません。
また、この男性が発注先の業者の代表者であるのか、雇用されている者なのか不明ですが、いずれにしても、このような高齢者を扱う・雇用することについては、少々問題があると指摘せざるを得ません。逆に、これだけ高齢者の方の活躍がなければ、除雪作業が回らない窮地の状態に陥っていることも、今回の事象で皆さんには把握していただきたいです。
【③始発の列車が早すぎる】
特急「ライラック2号」は北海道で朝一番早く営業運転を開始する特急列車です。元々は道北の夜行列車の名残りで、それをカバーする目的で設定されています。
当ブログに以前コメントをいただいたことがありますが、実は同列車というのが日曜などの休日はほとんど利用がないのです。主にビジネス利用が主体で平日は利用があるということを教えていただいていましたが、実際に今日発表された資料では乗客が27名ということで、そもそも列車を走らせる必要があるのかどうかという疑問が払拭できません。
冬至付近になれば、ようやく日の出とともに札幌に到着するような列車です。昨冬のように、除雪作業が間に合わなくなることや、視認性向上のために、早い時間帯の列車を見直す必要もあると感じています。利用客数をみれば削減できるレベルです。
今回は日の出前且つ雪による視界不良によって事故が起こりました。特殊な条件でやむを得ないですが、日頃の視認性向上等を理由として列車を削減すれば、多少なりとも事故の発生リスクは減るのではないかと思っています。
今回はJR北海道と外注業車との間による事故でした。この外注業車の対応や扱いってなかなか難しいものがあります。発注者が受注者に対して指示したとしても、双方で食い違いが生じることなんて多々あります。
発注する側も、打ち合わせの段階で簡単な説明だけで済ませることが多く、いざ請け負うにしても例外が生じてしまうと対応することができなくなります。
もし、今回の原因がそこにあれば、今後何らかの対策を講じる必要があります。
運転見合わせとなっていた岩見沢〜旭川間も運転を再開し、岩見沢〜滝川間は18時15分ごろから、滝川〜旭川間は21時ごろからそれぞれ運転再開となっています。特急列車で車両変更も生じているようで、明日からの車両繰りも心配されます。
特急「ライラック」で使用する789系0番台は、6両編成が6本あります。検査などを除けば、1日に4運用あり、予備が2本です。今回1本が長期離脱?になることで予備が1本になります。他の編成で検査等があるのか不明ですが、予備車両がなくなる可能性もあり、そうなれば789系1000番台が代走で登板することになるでしょう。
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先程資料も発表されました。
題名には接触と記載しましたが・・・

向こうが除雪ということもあり、先頭部分の鋼体の左側が損傷しました。当該車両は789系0番台HE–106編成+HE–206編成です。このうちの札幌方先頭車「クハ789–206」と接触しました。
この6両編成は、2010年の東北新幹線新青森延伸開業に伴って増備された車両です。車齢12年で789系の中で一番新しい車両です。車齢を考えるとまだまだこれから・・・という車両なだけに、果たして復活できるのか気になるところです。
789系だからこの程度で済んでいるのです。衝撃痕を確認してみると、低運転台構造の721系や733系、キハ183系だと運転席がもろに直撃し、運転士は最悪死亡していたでしょう。789系に救われた例は今回で2例目で、1回目は2010年1月29日にL特急「スーパーカムイ24号」が走行中にダンプカーと衝突しました。
乗員乗客が負傷したこの鉄道事故では、使用車両が共通化していた785系だったら運転士は即死だったでしょう。今回も逆に特急「ライラック2号」で発生して最悪の事態は免れました。
先にTwitterの方で情報を流し、色々とコメントをいただいていますが、こうした事故に備えて、基本的に鉄道車両の先頭部分は鋼製となっています。ただし今回の場合はその事故の想定を超えているので、修繕対応できるのか気になるところです。
コメントでは、板金して修繕できるや、苗穂工場で余剰となっている付属編成の車両と交換してこちらを廃車にする等の意見もありました。前回のL特急「スーパーカムイ24号」のように、脱線せずに台枠の歪みもおそらくなさそうなので、修繕して対応するのが現実的ではないでしょうか?
有識者によれば、先頭部は鋼製なので、溶断して新しい先頭部をつくって溶接し直す方法があるようです。また、車体は仮に修繕できたとしても、大きな衝撃で、電装系についてはいずれにしても総取替になる可能性が高く、実際に事故車両をみても、衝撃があった左側の前照灯はついておらず、右側も一部しかついていません。規定以上の衝撃でプリント基盤でダメージを受けている可能性があるようです。
このあたりは、今後調査してみないとわかりません。
あと気になる点がいくつかありますので、1つずつみていきましょう。
【①接触した除雪車は外注の除雪作業車】
今回接触した除雪車(ホイールローダー)は、実はJR北海道が発注した工事に使用されている機械です。駅前広場の除雪で主に使用されており、今回は豊沼駅構内で除雪作業を実施していました。
ただ、駅前広場と実際に特急「ライラック2号」と接触した場所は離れており、なぜ除雪車がその場所にいたのかは調査中です。
以前から同じ業者に外注していたのかは不明ですが、昨冬にJR北海道から説明があったとおり、ドカ雪で列車の運行ができなくなったからといって、基本的には誰しもがその除雪作業を実施できるわけではありません。危険を伴うため、一定の知識を持ち、教育を受けた者だけが除雪作業を実施できるというルールがありました。
今回はまさにそれが裏目に出た結果です。
もちろん、一定の知識や教育は習得していたと思います。ここからはあくまで管理者の推測ですが、例えば請け負っていた除雪作業が想定された時間よりも早く終わり、善良な気持ちで他の箇所も・・・と思って除雪作業を実施していたら、特急「ライラック2号」が来てしまったという感じでしょうか?
善良心が裏目に出ることは多々あります。いずれにしても今回の事象を確認していると、危険を伴うため、やはりそういった善良心が仮にあったとしても、予定外や規定外のことは危険が伴うため、してはならないことになってしまいます。
除雪作業は本来、豊沼駅前広場を主に行うはずですが、今回は予定していない線路付近で作業していました。JR北海道の会見では、線路脇に雪を積んでいたか、線路に近い位置のホームに雪をどけようとしていたかのどちらかの見解を示しています。
【②除雪車のドライバーが80代男性】
あまり大きく触れられていませんが、実は除雪車に乗っていたドライバーが80代の男性です。大きなホイールローダーを操縦できることから、常日頃から乗用車や大型機械を乗り、免許更新時も適性検査をパスしてきたベテランの方だと思います。
しかし、近年特に高齢者による逆走や交通事故が多く発生しており、世間的に高齢者ドライバーのイメージは良くありません。仮に問題なく運転、操縦できていたとしても、やはり高齢は1つの問題要因として取り上げなければなりません。
また、この男性が発注先の業者の代表者であるのか、雇用されている者なのか不明ですが、いずれにしても、このような高齢者を扱う・雇用することについては、少々問題があると指摘せざるを得ません。逆に、これだけ高齢者の方の活躍がなければ、除雪作業が回らない窮地の状態に陥っていることも、今回の事象で皆さんには把握していただきたいです。
【③始発の列車が早すぎる】
特急「ライラック2号」は北海道で朝一番早く営業運転を開始する特急列車です。元々は道北の夜行列車の名残りで、それをカバーする目的で設定されています。
当ブログに以前コメントをいただいたことがありますが、実は同列車というのが日曜などの休日はほとんど利用がないのです。主にビジネス利用が主体で平日は利用があるということを教えていただいていましたが、実際に今日発表された資料では乗客が27名ということで、そもそも列車を走らせる必要があるのかどうかという疑問が払拭できません。
冬至付近になれば、ようやく日の出とともに札幌に到着するような列車です。昨冬のように、除雪作業が間に合わなくなることや、視認性向上のために、早い時間帯の列車を見直す必要もあると感じています。利用客数をみれば削減できるレベルです。
今回は日の出前且つ雪による視界不良によって事故が起こりました。特殊な条件でやむを得ないですが、日頃の視認性向上等を理由として列車を削減すれば、多少なりとも事故の発生リスクは減るのではないかと思っています。
今回はJR北海道と外注業車との間による事故でした。この外注業車の対応や扱いってなかなか難しいものがあります。発注者が受注者に対して指示したとしても、双方で食い違いが生じることなんて多々あります。
発注する側も、打ち合わせの段階で簡単な説明だけで済ませることが多く、いざ請け負うにしても例外が生じてしまうと対応することができなくなります。
もし、今回の原因がそこにあれば、今後何らかの対策を講じる必要があります。
運転見合わせとなっていた岩見沢〜旭川間も運転を再開し、岩見沢〜滝川間は18時15分ごろから、滝川〜旭川間は21時ごろからそれぞれ運転再開となっています。特急列車で車両変更も生じているようで、明日からの車両繰りも心配されます。
特急「ライラック」で使用する789系0番台は、6両編成が6本あります。検査などを除けば、1日に4運用あり、予備が2本です。今回1本が長期離脱?になることで予備が1本になります。他の編成で検査等があるのか不明ですが、予備車両がなくなる可能性もあり、そうなれば789系1000番台が代走で登板することになるでしょう。
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