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【コラム】石北本線とキハ283系

長らく札幌〜釧路間で使用したのち、1年の転用改造期間を経て今年3月から新たに石北本線で使用を開始したキハ283系。

転用から来月で半年。すっかり見慣れた存在になりました。











残念ながら、従来連結されていたグリーン車は廃止されて3両編成となりました。利用状況に合わせて増結を実施していくとされ、7月中もハイシーズンではありませんが、増結が確認された日もあったようです。

やはり3両編成は輸送力が足りない日もあるようです。自由席が従来の半分程度に座席数を減らしたため、特に札幌〜旭川間では立客が出るほど満席になる場合もあるようです。

深夜を除いて、すぐに後続列車が設定されている場合があるので、このあたりはうまくカバーしているのでしょう。

キハ283系化に伴い、石北本線の停車駅では、大半がホームの嵩上げを実施しなければならなくなりました。床の位置はキハ283系の方が低いですが、キハ183系の場合はワンステップ構造で乗車する際に低い位置に一段あり、そこからもう一段上がって乗車する形でした。

キハ283系の場合はワンステップ構造ではありませんが、乗車する際にキハ183系でいう一段目の高さよりも高くなってしまうため、ホームを嵩上げすることで、乗降利便を新たに確保しています。

しかし、ホームの嵩上げが原則として基本となる3両分だけです。増結の際は一部の号車をドアカットして対応しています。あくまで必要最低限のホーム対応工事になっているようです。

キハ261系1000番台の製造費が1両3億円にもなり、石北本線分が用意できませんでした。そのため、キハ283系のうち、25両を使用可能と判断して石北本線へ転用しました。では、従来から引き続き、札幌〜釧路間で使用して新製したキハ261系1000番台を石北本線に回すという方法もあったと思いますが、札幌〜釧路間と石北本線で使用する決定的な違いは、車体を傾斜させる、いわゆる振り子式を作動させるか否か。こうして転用しているところをみると、やはり車体傾斜による車体への負荷というのは大きいのでしょう。1年間の転用改造を経たのち、石北本線へ転用されました。

また、石北本線内は最高速度が95km/hに制限されることもあり、車両への負荷を抑えられ、釧路方面で継続使用するよりも延命できると判断したのでしょう。

そんなキハ283系ですが、以前インスタグラムの方で気になったコメントがありました。

まず、一般的に用いられるようになった制御つき自然振り子式というのは、車両に搭載されたコンピュータと地上のセンサーで車体の傾斜角度や傾斜するタイミングなどを計測して動作させていますが、石北本線では地上側の設備を持たないため、キハ283系が可能としていた車体傾斜を行うことができません。

このシステムを石北本線転用に向けて停止させているほかに、傾斜する部分をテープで固定して物理的にも止めているようです。

なぜそのように二重に止める必要があるのかというと、不用意に車体を傾斜してしまうのを防ぐためだそうです。

なぜそうなるかというと、寒さ対策で振り子のベアリング内にグリスを大量に塗っています。塗らなければ、寒暖差で結露してしまい、水分で凍ってシャーベット状になってしまうからです。こうした理由からグリスを塗っており、物理的にも固定しなければ、ふとした時にズルっと滑って傾いてしまうそうなんです。

なので、システムだけ停止してもベアリングガイドだけは揺れる可能性があり、システムが停止している以上、制御が効かないので一度揺れ始めたら自然に止まるまで揺れ続けてしまうそうです。

こうして話を伺ったのち、管理者としても思う点もあり、過去にキハ283系などで見られた振り子エラーという、カーブも何もないところで車体が傾いていたりしていた現象も、システムに不具合が生じてしまい、そうなれば、ベアリングガイドだけが作動する自由な状態になっていますから、ズルッと滑って傾いたまま運行していたということになるのだと思います。

本州方面では、振り子エラーに関する話はあまり聞かず、キハ283系で結構見られたこの現象も、この法則なら北海道の車両だけ見られたということにも納得です。

実際にこうした話は車両の製造現場で携わる方でないと話を聞くことができず、鉄道雑誌でも書かれないような内容なので、その方とは長々とコメントをやりとりしていました。教えていただき、ありがとうございました。


キハ283系化に伴い、最高速度は低くなりましたが、それでも所要時間の短縮が図られた石北特急。ツイッターでは、8月11日の特急「オホーツク1号」で5両編成に増結されるという情報をキャッチし、キハ283系化以降の増結では最大両数となります。

3月に北見駅を確認してきたところ、特急列車が発着する1番線ホームでは、ホームの端が柵で封鎖されており、6両編成対応になっていました。なので、今後も繁忙期を中心に増結を実施する際は、基本編成の倍の6両編成までになるんでしょうね。

しばらくは活躍が見込まれるキハ283系。おそらく、北海道新幹線の札幌延伸までの繋ぎだと思いますが、なるべく長く活躍できることを期待します。











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コメント
12788: by 氷海軌道 on 2023/08/05 at 19:45:50

 先月、網走駅で北海道交通企画課によるアンケートがありました。内容はよくある公共交通アンケートでしたが、地元民向けの設問では、JRのサービス水準が向上した場合「網走〜札幌」「網走〜北見」「網走〜知床斜里」の3区間についてJR・バス・自家用車のどれを選ぶか、というものがありました。
 特記事項はその改善したサービス水準でして、網走〜札幌間5300円、所要時間は3時間40分とかなり攻めた基準に設定されてました。5300円は助成金やえきねっとでどうにかなるのかもしれませんが、1時間40分短縮は全盛期のキハ283系だったとしても厳しでしょう。「サービス水準を向上すればJRを利用してもらえる!」という結果が欲しいだけなのかもしれませんが…
 仮にキハ261系になったとしても大幅な高速化は見込めないでしょう。あとは車内設備や運行本数をどうするか、或いは線路に抜根的な改良を加えるかになるかと思います。今後の道の判断が気になります。

12789: by ナナッシー on 2023/08/06 at 19:43:43

こんばんは
キハ283系はキロ(グリーン席)の車体に亀裂が入っていて、入場の度に補修作業を行っていましたが、これ以上の修繕が難しいため、先にキロのみ全廃したと聞いたことがあります。

キハ183系0代がメインで運行していたオホーツク時代ですらキロハ構造に改造しましたね。
昔からグリーン席の需要が少なかったことからキハ283系を投入し、キロを抜いても問題はないと営業と現場で判断したのでしょうか。

余談ですが、JR西日本の283系は台車に亀裂が入っていたことが問題視され、今春のダイヤ改正より紀勢本線の最高速度が110km/h見直しになっています。(その他の線区は130km/hで走行可能。)
283系電車と283系気動車は両形式とも亀裂に悩まされている状況ですね。

12790: by 江東の住人 on 2023/08/06 at 20:26:41

宗谷・石北線特急は車両を共通運用にしたほうがいいと思うんですよね。
新幹線の札幌開業後は261が余るでしょうからそれを使って名寄止まりや北見止まりを新たに設定してもいいのでは。

12791:石北本線不通。 by 天寧 on 2023/08/07 at 22:56:24 (コメント編集)

こんばんは。
本日、石北本線の奥白滝信号場付近で路肩が大雨の影響で崩れ、一週間程度不通になるようですね。これで今年のお盆の増結等は夢となる可能性が高いでしょう。JR北海道は踏んだり蹴ったり、弱り目に祟り目の連続で、気の毒としか言いようがありません。早い復帰を願います。

12798: by 管理人 on 2023/08/09 at 23:11:57

>>氷海軌道さん、コメントありがとうございます。

かなり無謀なアンケートですね。

札幌〜網走間3時間40分、1時間40分の短縮は新幹線でも使わない限り無理ではないでしょうか?在来線で達成するのであれば、上川からまずは遠軽へ。そして留辺蘂を経由しないで、北見市端野あたりまでをそれぞれ一直線でトンネルでぶち抜くしかありません。

3時間40分で結べれば、JR一強へ返り咲くのかもしれません。しかし、所詮道のアンケートなんて集計してあまり分析もせずに終わりますよ。理想のサービス水準を追いかけたところで実行に移さない限りは無駄です。

12799: by 管理人 on 2023/08/10 at 06:11:42

>>ナナッシーさん、コメントありがとうございます。

どちらの283系も不運な車両になってしまいましたね。

キロだけ車体に亀裂が入っては修繕の繰り返しでした。既に限界だったのでしょう。何故キロだけと言われると不明ですが、車掌室や重量バランスのため、中間で座席の配置が変わる等、ほかの車両とは特殊な構造だったので、これらの何らかで理由が生じていたのかもしれません。

おそらく、当初は転用する予定がなく、石北本線内でもグリーン車利用が少ないと判断した結果、モノクラスになったのだと思います。

12800: by 管理人 on 2023/08/10 at 06:16:12

>>江東の住人さん、コメントありがとうございます。

新幹線が札幌まで伸びたら、261系で余剰車が発生するはずなので、それも可能になると思います。ただ、あとは路線が存続しているか否かですね。宗谷本線が状況的に厳しくなっています。

本当に名寄までになってしまうかもしれません。

12801: by 管理人 on 2023/08/10 at 06:18:53

>>天寧さん、コメントありがとうございます。

昨日から臨時特急列車が運行されていますが、1両増結の4両編成で運行しているみたいです。本数が少ないですから、その影響があると思います。11日以降、さらに増結が実施されるのかも気になります。

今後は今回のような予想外の天気で災害が発生しやすくなると思います。今回の沖縄・九州豪雨になれば、JR北海道は終わったでしょうね。

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